臨床医を目指す医学科生は、臨床医学の現状を知らなくては、学びの姿勢も整いません。第1学年では、医療現場の第一線で活躍する医師から、最先端の医療を教わるととともに、患者さんに寄り添う医師としての基本姿勢を学びます。

医学科での学びを始めるにあたり、広い医学をどこから学ぶべきかは、なかなか悩むものです。そこで第1学年では、将来の臨床実習へつながる導入として、病気の症状を学ぶ症候学を中心にチーム学習（TBL）を取り入れています。模擬患者さんとの医療面接やシミュレーターを使った診察手技の習得などを行い、医学知識・技術の基礎を固めます。

日進月歩で進化する医学を学ぶ上で、医療人において海外との交流は必須です。第2学年では、英会話の個人レッスンとともに、医学英語や研究論文の構成を学びます。プログラム後半では英語でのプレゼンテーションを行い、グローバルな視野を育みます。

医学科第2学年までに学んだ基礎医学の知識は、第4学年からの臨床実習でどのように生かせるのでしょうか。本科目では、日常診療で遭遇する症候を基礎医学の知識と結びつけ、臨床医学との関連を深めます。第2学年の「臨床医学入門Ⅰ」ではチーム学習で病歴シナリオを作成し、第3学年の「臨床医学入門Ⅱ」ではシミュレーターを用いて、診察所見から臨床推論する実習を行います。

日々の診療に必要な医学の知識には、基礎となる研究の存在が欠かせません。第1学年では、週替わりで1時限ずつさまざまな講座を体験していきます。第2学年では、選択した講座に約1カ月間所属して、それまで学んできた医学・医療に関する疑問を研究課題として、自ら文献調査・資料の収集・分析・討論・報告を行い、医学研究の方法を修得します。希望する学生はそのまま研究を継続することもできます。