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2025121
キャンパスライフ

【ふくらませ、大胆に。】「好き」を追求したら、世界にたどり着いた

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福岡大学で学び、挑戦し、夢を追う学生たちに迫るインタビュー企画、「ふくらませ、大胆に。」

学びに向き合う姿勢や将来への想い、日々のキャンパスライフを通した一人一人の個性と成長をお伝えします。


福岡大学に、サッカー日本代表がいる。だが、彼の戦場は芝のピッチではない。画面の中にある。

大分県出身の吉田舜映さん(理学部応用数学科社会数理・情報インスティチュート2年次生)は、この12月、FIFA(国際サッカー連盟)が開催する「FIFAe World Cup 2025」のモバイル部門日本代表としてサウジアラビア大会に派遣される。

幼い頃から応援してきた大分トリニータ。スタンドから声援を送っていた選手たちの姿が、彼の挑戦の原点だ。

サッカー好きな父親の影響で2歳からスタジアムに通い、小学校1年生からサッカーを始めた。次第に試合のシミュレーションに没頭するようになる。11人の選手が織り成す理想的な戦法を求めて、個々の能力を分析し、勝利を引き寄せるための戦略を紡ぎだすことが楽しくて仕方なかった。

高校3年生ごろから、遊び感覚でサッカーゲーム解説のYoutube配信を始め、たくさんの人とオンライン上で対戦を重ねるうち、自分の実力が「意外とやれる」レベルにあると気付く。そして、そのゲームが競技として世界中でプレーされていることを知った。

eスポーツは、まさに彼の遊びの延長線上にあった。

腕試しに、イギリスの名門サッカークラブ、マンチェスターユナイテッドが開催するオンライン大会に参加。日本国内の予選を勝ち抜き、東アジア予選に駒を進める。

「世界を相手に戦える」手応えを掴んだ。

しかし、初めて挑んだ日本サッカー協会(JFA)主催のワールドカップ代表選考会では、1勝もできず最下位。初めてのオフライン試合、大勢の人を前に極度の緊張で手が震え、普段の操作すらままならなかった。

試練は続く。今年2月にスペイン・バルセロナで開催された、eFootball Championship2025 FCバルセロナ大会決勝トーナメントで惨敗を喫し、初めて本気で狙った東京での世界決勝大会への進出を逃す。

悔しかった。

しかし、敗北は、思考を磨く糧になる。「何もせずに負けるのは、一番嫌なんで」と、相手の試合を見て、癖やフォーメーションを分析し、それを頭に叩き込む。

「試して、修正して、確かめる」。仮説検証のサイクルは、現在学んでいるプログラミングとも通じている。重要なのは「ビジョン」を持っていること。1人で11人を操作し、相手の判断を予測して最適解を導く。反射神経よりも論理的思考と再現性を重視し、格上にはリスクを恐れず挑み、格下には精度を優先する。

今年8月、再び挑んだJFA代表選考会で、4日間で60時間ものプレーを続ける過酷なトーナメントを勝ち抜き、見事代表の座を射止めた。

「これまで自分には何もなく、“何者でもない”感覚があった。でも、eスポーツで結果を残せたことで、自分にもできることがあると分かりました」。

代表合宿では、スタッフたちが常に寄り添い、励ましの声を掛けてくれた。「近くで応援してもらえることが力になる」。かつては一人で楽しむために続けていた競技が、今は応援してくれる人や、日本代表としての誇りのために戦うものへと変わった。

「代表のユニフォームを着てプレーをして、『国を背負って戦っている感』がちょっとずつ芽生えてきたかな」とはにかむ。

日本代表になったが、将来のことを考えて、やりたいことは何個か持っておこうと考えている。英語でのインタビューに対応できるレベルの英語力は既にある。プラスのスキルがあれば将来役に立ちそうだと思い、情報系の進路を選んだという。

まだ、先のことは決めていない。だが、根底には「好きなことをやって生きていきたいな」という気持ちがあると語る。

eスポーツを始めて一番成長したのは「逆境を覆す力」だ。「何事も途中のまま終われないタイプ。やれることは全部最後までやって挑みたい」。

プレーヤーネームは『SOUSHUN』。彼は今まさに、世界一の座を目指して、蒼い炎を燃やしている。

【関連リンク】
公式Instagram(「ふくらませ、大胆に。」別企画掲載)
理学部ウェブサイト

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今までの 物差しを捨てて、夢を可能性を、さぁ、「ふくらませ、大胆に。」