皆さんに夢はありますか?どんな夢でしょうか?
その夢は、子どもの頃からの夢?それとも年を経るたびに変化している夢?
人生は悩みや苦しみの連続です。しかし、夢を持つことで、苦しみを乗り越え前向きに進む力が湧いてきます。キング牧師のあの演説のとおりです。中学校の英語の授業で暗記しませんでしたか?「I have a dream」。不平等な社会を希望と信念で切り開いたわけですが、そんな社会を変えるような夢でなくても全く構いません。自分がどう幸せでありたいか。それを考えてみてください。夢を持てば、可能性や視野は自然と広がっていくものです。
もちろん、夢が全て願いどおりに叶うことは少ないでしょう。しかし、自分の夢に向かって努力を重ねていけば、必ずそれに近い未来を手にすることができると私は信じています。大切なのは、夢が自分の内側から湧き上がってきたものであること。私自身10代の頃、探検家など何かを追い求める仕事に憧れていました。「真実を知りたい」。その気持ちを追求し続けたからこそ研究者になれたと思います。
とにかく、どんな分野でも自分の殻にこもらず、一生懸命に動き続けていると、どこかで何かの鉱脈にぶち当たるものです。スティーブ・ジョブズは若い頃、カリグラフィを真剣に学んだことが、アップル製品の美しいデザインにつながったと語っています。今は明確な将来を見通せなくても、若い時に打ち込んだことは点として残り、それが連なることで将来を開く線となります。
ここで夢を叶えるポイントを話しましょう。それは、“神様と遊ぶこと”です。神様は運命とも言い換えられます。神様は絶対ですから、全てを受け入れなければなりません。うまくいかなくてもポジティブに。なるようになる。そう、つまり、楽天的な心持ちが 前に進む力になります。現実や課題を見据えながらも運命を受け入れる余裕も携えておくことが必要です。
夢を描くとき、多くの人は固定観念に沿ったものをイメージします。周囲の期待、社会の価値観、これまでの自己評価。。。でも、せっかくの人生ですから、自分自身が本当にやりたいことを見つけてください。自分が幸せに感じることはいったい何なのか。今はウェルビーングとも言いますね。
では、そんな夢をどう見つけるか。大学時代は大きなチャンスです。さまざまな経験や知見を持ついろいろな人との対話が最も有用と思います。「同じ年でもこんなに感じ方が違うのか、後輩なのにどうしてそんな考えができるのだろう、さすが先生は知識量や視点が違うなぁ」。
福岡大学はワンキャンパスに全ての学部学科があり、多種多様な人と交わる機会に恵まれています。交わりの機会が多ければ多い程、視野を広げられ、追うべき夢やそのきっかけを見つけられる可能性が高まります。
「ふくらませ、大胆に 。」
最後にこのメッセージを伝えます。「大胆に」は、他と比べて突拍子もなく、ということではありません。自分の殻にこもらず、固定観念や常識等の物差しを一度捨ててしまって、という想いです。福岡大学は、皆さんの夢や可能性をふくらませ、そして実現に近づける場の一つに間違いありません。
さぁ、思うままに夢を可能性を、「ふくらませ、大胆に。」
福岡大学長 永田 潔文

