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20251125
キャンパスライフ

【ふくらませ、大胆に。】伝えることを諦めない、人に寄り添う"タフな薬剤師"を目指して

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福岡大学で学び、挑戦し、夢を追う学生たちに迫るインタビュー企画、「ふくらませ、大胆に。」

学びに向き合う姿勢や将来への想い、日々のキャンパスライフを通した一人一人の個性と成長をお伝えします。


「正直なところ、最初はそこまで薬学に思い入れがあったわけじゃないんです」。中邑風貴さん(薬学部薬学科3年次生)はそう語る。

入学時は、「資格を取っておけば将来安心」という程度の気持ちだった。

元来好奇心旺盛な性格。薬学部での実験や講義に励みながらも、建築など“ものづくり”の道への興味も捨てきれず、転部することも考えたという。

そんな彼女の意識を変えたのが、1年次に参加した「ふくやくプロジェクト」だった。薬剤師会などの業界団体や行政、企業、薬局、病院などさまざまな関係者と協議しながらプロジェクトを進め、薬学の知識を社会に生かす方法を探る実践型の学びだ。

彼女のチームは、災害時緊急避難を余儀なくされる状況下、日常的に服薬が必要な人に薬が届かなくなるという課題の解決を目指し、薬と薬歴情報が携帯できるキーホルダー型ケースの普及を提案した。

「このプロジェクトを通じていろいろな方と関わっていく中で、薬剤師の仕事は病院や薬局の中だけじゃないと知りました。視野を広げ、世界を広げていけば、『自分なりの薬剤師像』みたいなものが開けるんじゃないかって」。

胸に残るのは、ある先生の言葉だ。「その場で答えられる薬剤師にならないといけない」。

医師や看護師は、目の前に倒れている人がいたら、その場で判断して助ける。薬剤師の役割は、代替薬を即座に提案して解決に導くことではないか。それができる知識と判断力を兼ね備えるべきではないか。その言葉に薬剤師という仕事の責任の重さを痛感する。

「私が学ぶことが、誰かを助けることにつながる」。使命感が芽生えた。

その思いを行動に変えるように、2年次からは災害医療を学ぶ学生組織「日本DMAS(日本災害医学会学生部会)」に加わる。DMASは、東日本大震災以降、学生間に高まる災害医療への関心を背景に、日本災害医学会協力のもとに2013年に発足した学生団体だ。学生が主体となって、災害医療への理解を深める活動や、災害時後方支援をはじめとする災害支援活動を行っている。

災害医療に関心を持ったのは、コロナ禍で過ごした高校時代。緊急事態宣言が発令され、災害として位置付けられた状況下、身近な人たちが災害医療に携わっていたことがきっかけだった。

現在は九州支部組織にあたる「九州DMAS」で副代表として、「日本DMAS」では企画局の一員として活動する。支部の活動では、離島医療・ロジスティック・災害時の連絡手段・多職種連携など、さまざまなテーマの勉強会を企画して仲間と共に学び、全国組織では合宿運営を担う。

熱量が高い学生の集まりとはいえ、プロジェクトの進め方に足並みが揃わないこともある。欠員が出て予定していた企画ができなくなるハプニングに見舞われたこともあった。

「私はものすごく人に恵まれている」という彼女。課題や困難は、「志を同じくする仲間と助け合い、協力し合える関係性が築けたから乗り越えられた」と話す。

学内では、手話サークルを立ち上げた。薬の処方を受ける聴覚障がいのある患者と薬剤師が、直接コミュニケーションを取らずにいる光景を見て「寂しい」と感じ、手話が薬剤師としてのスキルの一つになると思ったからだ。

確かに、服薬指導を手話で正確行うのは至難。でも、挨拶やイラストを使ったアプローチなどでコミュニケーションを取ることはできるはず。

「伝えようとするのを諦めたくないんです」と力を込める。

将来、活動の可能性を海外にも広げたいと思っている。自分が使えるコミュニケーションツールを増やすため、英語力強化にも余念がない。

行動すれば世界は動く。学びや経験が、そう確信させてくれた。医療情報技師や手話検定などの資格にも挑戦しながら、自分の強みを重ねていく。

「どんな状況でも人と向き合い、寄り添える薬剤師になりたい。目指すは、“タフな薬剤師”です」。

彼女は今日も、自ら選んだ道を歩んでいる。

【関連リンク】
公式Instagram(「ふくらませ、大胆に。」別企画掲載)
薬学部部ウェブサイト

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