福岡大学で学び、挑戦し、夢を追う学生たちに迫るインタビュー企画、「ふくらませ、大胆に。」
学びに向き合う姿勢や将来への想い、日々のキャンパスライフを通した一人一人の個性と成長をお伝えします。
宮崎県出身の香月瞳美さん(法学部経営法学科3年次生)は、「新しい場所で挑戦したい」と福岡大学へ。
子どもの頃からサスペンスや刑事ドラマが好き。「ドラマの中で飛び交う法律用語をマスターしたら、もっと深い次元で楽しめるのではと思って、法学部に進学することにしました」と笑う。


地元を離れ、初めての一人暮らし。小学校から高校3年生まで、12年間続けたフラダンスの仲間も周りにいない。慣れ親しんだ居場所を離れた寂しさや心細さに、1年次の夏頃までは、福大に来る選択を後悔していたという。高校の先生に別の大学を勧められていたこともあり、「違う選択をしていたら、どんな人生だったかな」と考え込むこともあった。
高校時代は、「授業のゴールが資格の合格で、上の級を目指して勉強するのが楽しかった」と、全商簿記実務検定や情報処理検定など、6つの検定で1級資格を取得。コツコツ努力を続けることが、自分に合った勉強法。「公認会計士とか税理士になるのかな」と漠然と描いていた将来像は、福岡での出会いを経て次第に変わっていく。
変化の始まりはアルバイトだった。
1年次の冬、外国人観光客が多く訪れる博多の商業施設で、物品販売のアルバイトを始める。対応したお客さまが笑顔になり、嬉しそうに商品を手に帰っていく。自分の“おもてなし”で人が笑顔に変わっていく。その姿に、資格取得を達成した時とは違う喜びを感じた。
「もっと喜んでいただくために、自分にできることは何か」。
試しに覚えたばかりの韓国語で挨拶をしてみると、それだけでお客さまとの会話が広がった。「日本語以外の言語でもコミュニケーションを取れるようになって、もっとたくさんの外国人観光客の方に、日本を好きになってもらいたい」と、語学を学ぶモチベーションに火が付く。
そして次第に、「語学力を生かして世界中の方と出会える仕事に就きたい」と思うようになっていった。


その思いから、2年次から第二外国語に韓国語を選択。授業に加え、検定教材や動画での自主学習も重ねる。
2年次の1月には法学部の研修でニュージーランド・ヴィクトリア大学へ約2週間、3年次の夏には大学の短期留学制度を活用して韓国・蔚山大学へ約3週間留学。
語学と並行して、学内外でも行動の幅を広げていった。実践の場を求めて日本航空(JAL)と福岡大学の連携による「課題解決プログラム」に参加。そこでJALの企業風土に惹かれ、東京で開催されたインターンシップにも挑む。
「社員の方々が地域や環境への取り組みを大切にしていて、人を思う姿勢に惹かれました」。接客の楽しさと語学の学びが、将来の目標と結びついた瞬間だ。
経験や文化を通じて人を理解することが、語学を学ぶ本当の面白さだと実感している。
日本語や日本の文化を知ることこそが、異文化の人と心を通わせるための第一歩だと感じ、自国の文化にも目を向ける。
目下、美しい日本語を話すことに注力しているという。インターンシップで航空会社の方の磨かれた日本語の話し方に触れ、自分も自信を持って人前で話ができるようになりたいと思っている。
高校時代は“資格に合格するための勉強”だったが、今は“なりたい姿を実現するため“の学びへと変わった。
「目標があるから続けられる。勉強が、自分の未来を形づくるものになりました」。
言葉を通して人を想い、世界を広げていく。
その歩みは、空の上での“おもてなし”へとつながっている。


【関連リンク】
・公式Instagram(「ふくらませ、大胆に。」別企画掲載)
・法学部ウェブサイト
