2020年、未知のウイルスの影響で、世界は大きく変化しています。これからの「ウィズコロナ」の時代、私たちには一体何ができるのでしょうか。
広報誌『福岡大学学園通信』10月号で、コロナ禍における福岡大学の取り組みや、各分野の研究者の声を特集しました。
ミトコンドリアと自然免疫の関係
理学部化学科 小柴 啄己 教授
理学部化学科 錦織 充広 助教
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスといった感染症の予防として「免疫力を高める」という言葉を最近よく耳にします。実はこの免疫機能の中で、特に自然免疫と呼ばれる現象では、細胞内に局在するミトコンドリアが重要な働きをすることが、近年知られるようになってきました。
特に、抗ウイルスの自然免疫では、MAVS(マブス)と呼ばれるミトコンドリアのタンパク質が重要な働きを行っているようです。「自然免疫を司るミトコンドリアのメカニズムの解明がさらに進めば、創薬分野などが求めている基礎的な知見が蓄積するため、今後の感染症医療にも私たちの研究が少しでも貢献できるのではと考えています」。
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ミトコンドリア(赤色)は細胞内(緑色)で管状の網目構造を形成している

一方で、細胞内では分裂したミトコンドリアも観測される
