〔研究者コラム〕「SNSとの上手な付き合い方(第8回)」SNSとプライバシー

新年度が始まってもうすぐ3カ月。新しい環境にも慣れ、LINEやFacebook等のSNSで新たな人間関係を築いている人も多いのではないで しょうか。そこで、総合情報処理センター研究開発室長の奥村勝教授が「SNSとの上手な付き合い方」をテーマに、「SNSにはどんな特徴があるのか」 「利用する際のメリット・デ メリッ ト」「そもそもSNSはどんな仕組みなのか」等、複数回にわたってお伝えしています。

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前回、SNS利用時の注意点として、あなたが行ったSNSでの投稿は「必ず誰かの見られている」という話題を取り上げました。注意点の二つ目は、前回の話題にも関連するSNS利用時のプライバシーに関することです。

例えば、写真やメッセージを投稿する際も注意が必要です。他者の顔が写真に写っていないか(顔を出すことを相手は了解しているか)、いつ、誰と、どこにいることをSNSで公開して構わないかなど、自分の立場だけでなく、写真に写っている人や周りの人のことも配慮する必要があります。内緒でとあるイベントに参加していた友人のことを、うっかりSNSに投稿してしまい、友人との関係が悪化する事態になったというようなトラブルは身近なところでも起こり得ます。

SNSを利用する上では、「必ず誰かに見られている」という認識を持ち、あなた自身の個人情報やプライバシーに加え、他者の個人情報やプライバシーにも配慮することが求められます。

一方、あなただけの注意ではどうしようもないこともあります。以前、各SNSはあなたの対人関係を「ソーシャルグラフ」として管理・利用しているという話をしました。利用しているSNSに、スマートフォンの連絡先情報を提供すると、SNSはその氏名や電話番号などを活用してあなたの友達や知人を見つけるために利用します。

あなたが用心深く、個人情報のSNSへの提供を制限していても、友人や知人が、スマートフォンの連絡先に入れている「あなたの連絡先」情報をSNSへ提供することもあり得ます。あるいは、あなたの友人や知人が、あなたにまつわる事柄をうっかり、SNSへ投稿するといったことも起こり得ます。SNSを利用する上で、このような自身が関与しないところから、個人情報が利用されたり、プライバシーが侵害されたりする恐れがあるということも認識しておく必要があります。

たとえ親しい友人や知人であっても、投稿時は事前に一言声を掛けるなどプライバシーへの配慮が必要です。

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