令和7年度決算

令和8年7月

令和7年度 学校法人福岡大学収支決算について

はじめに

学校法人福岡大学の令和7年度決算は、6月19日開催の理事会で承認された後、6月29日開催の定時評議員会において報告しました。

学校法人は「学校法人会計基準」に基づき会計処理を行い、所定の計算関係書類である「事業活動収支計算書」「資金収支計算書」「貸借対照表」等を作成し、文部科学省に届け出る義務があります。それぞれの計算書に沿って概要を報告します。

決算の概要

1.令和7年度事業活動収支計算書について

「事業活動収支計算書」では、当該会計年度の事業活動に係る経常的な収支(教育活動収支と教育活動外収支)および臨時的な収支(特別収支)を区分して、それらのバランスを把握できるようにし、これによって学校法人の収支の状態を判断することができます。

令和7年度事業活動収支における決算規模(事業活動収入計)は930億円となっています。また、事業活動収入計と事業活動支出計の差額(基本金組入前当年度収支差額)は52億5,200万円の支出超過で、基本金組入額は146億9,100万円を計上しています。

内訳を見ますと、教育活動収支差額では、経常的な収支のうち、本業の教育活動の収支を見ることができ、決算は54億3,000万円の支出超過で、予算と比較して支出超過額が11億2,300万円上回っています。この主な要因は、予算に対して医療収入が31億3,300万円減少した一方で、授業料等減免の対象者の拡大に伴い、経常費等補助金および教育研究経費(奨学費)がそれぞれ増加したためです。

次に教育活動外収支差額では、経常的な収支のうち、財務活動の収支を見ることができ、決算は21億3,600万円の収入超過で、予算と比較して10億8,700万円上回っています。この主な要因は受取利息・配当金が予算と比較して10億7,700万円上回ったためです。

経常収支差額では、経常的な収支バランスを見ることができ、決算は32億9,400万円の支出超過となりました。

特別収支差額では、資産売却や施設・設備関係の補助金等の臨時的な収支を見ることができ、決算は19億5,800万円の支出超過となりました。

基本金組入前当年度収支差額では、毎年度の基本金組入前の収支バランスを見ることができ、52億5,200万円の支出超過となりました。予算と比較して支出超過額が21億5,600万円上回っています。

基本金組入額合計は、学校法人を維持するために必要な資産を継続的に保持するための組入額であり、決算は146億9,100万円で、予算と比較して支出超過額が15億5,600万円上回っています。

当年度収支差額は、基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額合計を控除したもので、学校法人会計基準では、基本金組入後の収支がバランスすることが望ましいと言われています。令和7年度決算は199億4,400万円の支出超過で、予算と比較して支出超過額が37億1,200万円上回っています。

また、経常収入を100%とした主な収入科目の構成比は、収入の3本柱である学生生徒等納付金が32.1%、経常費等補助金が9.7%、医療収入が50.5%で、これらの合計は経常収入の92.3%を占めています。経常支出の主な科目の構成比は、人件費が47.5%、教育研究経費が51.3%、管理経費が4.7%となっています。

2.令和7年度資金収支計算書について

「資金収支計算書」は、当該会計年度の諸活動に対応する全ての収入および支出の内容ならびに当該会計年度における支払資金のてん末を明らかにしています。お金の動きを全て網羅した計算書であるため、収入には前受金収入、その他の収入などが含まれ、支出では借入金等返済支出、資産運用支出、その他の支出などが含まれます。

資金収支のてん末としての翌年度繰越支払資金は209億円で、前年度決算額と比較して19億円増加しました。

なお、令和7年度に支出した主な施設・設備の詳細は、「令和7年度資金収支計算書」の下に掲載している「令和7年度に支出した主な施設・設備」をご覧ください。

3.令和7年度活動区分資金収支計算書について

「活動区分資金収支計算書」は、「資金収支計算書」の内容を「教育活動」「施設整備等活動」「その他の活動」の3つの活動区分に分類して表示し、活動ごとの資金の流れを明確化するために作成されています。

「教育活動による資金収支」では、本業である教育活動のキャッシュベースでの収支状況を見ることができ、23億2,600万円の収入超過となっています。次に「施設整備等活動による資金収支」では、建物や機械器具などの施設・設備関係の収支を見ることができ、156億7,100万円の収入超過となっています。最後に、「その他の活動による資金収支」では、有価証券売却収入や購入支出、各種の特定資産からの取崩収入や繰入支出、税金等預り金などの収入や支出を見ることができ、160億9,200万円の支出超過となっています。以上の結果、支払資金の増減額は19億500万円の増加となりました。

正常な場合は教育活動で毎期プラスの資金収支差額が生まれ、それを施設等の設備投資に充当し、もし足りなければ、足りない分をその他の活動(財務活動)で借入を行います。もしくは、教育活動で生じたプラスの資金収支差額をその他の活動で借入金の返済に充当することになります。いずれにしても、教育活動部分でプラスの資金収支差額が生まれないと、設備投資や借入金の返済ができなくなり、過去の運用資産の蓄積を取り崩すことになります。

4.貸借対照表について

「貸借対照表」は、令和8年3月31日時点における資産、負債、純資産の内容および残高を表し、学校法人としての財政状態を明らかにするものです。

「資産の部」合計は2,714億7,800万円となり、前年度と比較して20億9,800万円減少しています。また、「負債の部」合計は528億1,800万円となり、前年度と比較して31億5,500万円増加しています。その結果、基本金と繰越収支差額を合算した「純資産(自己資金)の部」合計は、2,186億6,000万円となり、前年度と比較して52億5,200万円減少しています。資産総額に含める純資産(自己資金)の割合は、80.5%で前年度から1.3ポイント減少しています。

令和7年度決算では、事業活動収支計算書における経常収支差額は32億9,400万円の支出超過となり、日本私立学校振興・共済事業団が作成している「定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分」において、B0の「イエローゾーンの予備的段階」に位置していることになります。

しかしながら、近年の急激な物価上昇により諸経費は増大し、人件費も年々上昇傾向にあります。加えて、大規模地震への備えとして進めている耐震化に係る施設整備費およびそれに伴う減価償却費も増加しています。

在学生・保護者、卒業生、地域社会といったステークホルダーの期待に応えていくためには、法人運営の基盤である財政の安定的な強化が不可欠です。また、教育・研究・医療のさらなる充実を図るためには、限られた経営資源を選択と集中の観点から効果的に配分していく必要があります。

関係者各位のご理解とご協力をよろしくお願いします。