〔研究者コラム〕「福岡の街に誕生する新しいバス交通システム"BRT"(第3回)」―連節バスについて―

福岡市の都心部で、連節バスの試験走行が行われているのをご存じですか?これは福岡市が推進している「天神ビッグバン(※)」の一環として、都心部の効率的な交通ネットワークの構築を目指し福岡市と西日本鉄道(株)が共同で取り組んでいるもので、天神・博多・ウォーターフロントの都心3拠点をつなぐBRT(Bus Rapid Transit)の導入を予定して行われているものです。

今回のコラムでは、そのBRTシステムの構築に携わっている、本学工学部社会デザイン工学科の辰巳浩教授がBRTシステムについて詳しくお伝えしています。

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福岡市で試行運行予定の連節バス(カラーリング前)

福岡市の都心循環BRTの試行運行を行うにあたり購入された連節バスはボルグレン社(オーストラリア)製です。なお、架装(車体の装備等をつくること)はオーストラリアで行われていますが、エンジンやシャシー(車台・バスの骨組)はスウェーデン製です。

2連節で全長は18m(通常の大型路線バスは12m)、車軸は3軸となっています。また、ドアは3カ所にあります。通常の路線バスの定員は約70人ですが、この連接バスは130人程度の乗客を乗せることができます。連節バスは一見曲がることが苦手で大回りしてしまいそうに見えますが、実は車体の途中が折れ曲がるために通常の路線バスと比較してもそれほど大回りせずに曲がることができます。

車体は低床のノンステップバスで、車いすでも楽に乗降できるスロープを備えています。また、乗降時に車体を油圧で低くする機能(ニーリング)も備えられています。

次回は、BRT導入に併せて筆者が所属する福岡大学工学部社会デザイン工学科交通・都市システム研究室で行われている「交通シミュレーション」についてご紹介します。

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(※)天神ビッグバン
アジアの拠点都市としての役割・機能を高め、新たな空間と雇用を創出するため、天神地区において福岡市が行っているプロジェクト。

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