〔研究者コラム〕「福岡の街に誕生する新しいバス交通システム"BRT"(第2回)」―福岡市で都心循環BRTの導入を検討中―

福岡市の都心部で、連節バスの試験走行が行われているのをご存じですか?これは福岡市が推進している「天神ビッグバン(※)」の一環として、都心部の効率的な交通ネットワークの構築を目指し福岡市と西日本鉄道(株)が共同で取り組んでいるもので、天神・博多・ウォーターフロントの都心3拠点をつなぐ BRT(Bus Rapid Transit)の導入を予定して行われているものです。

今回のコラムでは、そのBRTシステムの構築に携わっている、本学工学部社会デザイン工学科の辰巳浩教授がBRTシステムについて詳しくお伝えしています。

辰巳教授の研究実績やプロフィルはこちら

辰巳教授も寄稿している福岡大学の総合学術機関誌『七隈の杜』はこちら

 

00_line-top.gif

福岡市の都心部を循環するBRTの運行が検討されています。間もなく試行運行が開始される予定です。

運行ルートは天神地区、博多駅地区、ウォーターフロント地区(中央ふ頭・博多ふ頭)の3拠点を結ぶ循環ルートです。ウォーターフロント地区は、福岡国際会議場やマリンメッセ福岡などのコンベンション施設があり、また、韓国からの定期船やアジアからのクルーズ船が寄港するなど国内外から多くの人々が訪れるエリアで、今後、福岡市の新たな都心拠点の一つとして開発に力を入れる予定となっている地区です。

都心循環BRTは、この3拠点間を結ぶだけでなく、都心周辺の駐車場との連携や他の公共交通との乗り継ぎを考慮することにより、過度に車に依存しない公共交通重視のまちづくりや既存路線バスの再編による輸送の効率化を目指しています。

試行運行に先立ち、平成27年8月26・27日の夜間、レンタルした連節バスで試走を行い、交差点や停留所などの確認を行いました。その結果、道路の区画線の引き直しなど、幾つか改良すべき個所が見つかりましたが、その対応を行うことにより、連節バスの運行が可能であることが確認されました。その結果を踏まえ、現在、2台の連節バスを購入し、試行運行に向けて準備を進めています。

20161116-2.jpg

見えづらい場合はこちら

20160701-1.jpg

レンタルした連節バスによる試走

20160701-2-2.jpg

試行運行のルート(出典:福岡市)

次回は福岡市で試行運行を行う予定の連節バスについてご紹介します。

01_line-under.gif

(※)天神ビッグバン
アジアの拠点都市としての役割・機能を高め、新たな空間と雇用を創出するため、天神地区において福岡市が行っているプロジェクト。

小バナー.png