2月に入り、受験シーズン真っ只中です。大切な試験に挑戦する受験生に向けて「ここぞという時、力を発揮するために」をテーマに3人の先生がコラムをお届けしています。第4回は、前回に引き続き、福岡大学ラグビー部の副部長でスポーツ科学部教授の下園博信先生が「緊張の中で最高のパフォーマンスをす るには」と題してご紹介します。
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下園教授の研究実績やプロフィルはこちら
- 第1回:風邪やインフルエンザに感染しない体調管理法①
- 第2回:風邪やインフルエンザに感染しない体調管理法②
- 第3回:緊張の中で最高のパフォーマンスをするには①
福岡大学ラグビー部
前回ラグビーの話が出たので、"あの"話もしなければならないと思います。「ルーティン」という言葉が、ラグビーワールドカップ期間中に話題になりました。五郎丸歩選手がプレースキックを蹴る前に行うあの動作です。
五郎丸選手が行うプレースキックは、ラグビーのゲーム中に味方や敵の選手たちが止まっている状態でキックするプレーです。すなわち、五郎丸選手だけがボールをコントロールすることができます。得点差、キックする場所、歓声、テレビの前では何億人が見ていることなど外的な心理的阻害要因と、「失敗したらどうしよう」「入るかな?」「絶対決めてやる」など内的な心理的阻害要因が、五郎丸選手にのしかかってきます。
いろいろな場面でプレースキックをすることになるのですが、いつものルーティンを行い、キック動作に入り、キックします。成功するかしないかはキックの技術にかかるところが大きいのですが、いつもの精神状態でキックするには、ルーティン化した動作が効果的だと考えられます。
受験にはいつもの文房具で
受験には得意な科目、不得意な科目があるでしょう が、自分の「ココロ」を落ち着かせて、問題を解くための「ルーティン」を何か準備してみてはいかがでしょうか。問題を解くのは自分自身ですから、周りに影響されず、不安や緊張感を沈静化し、いつもの自分になれる動作やキーワードが何かあると思います。
ただし大切なのは、普段からその「ルーティン」を習慣化しておくことです。1回もやったことのない仕草や動作が本番で通用するわけがありません。普段の勉強中から、自分の「ココロ」を整えることができる何かを用意しておくことが重要です。
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