熱帯西部太平洋で大気中のヨウ素濃度が極めて高い海域"ヨウ素の泉"を発見―気候変動予測評価に向けた新たな知見―

国立研究開発法人海洋研究開発機構地球表層システム研究センターの高島久洋招聘主任研究員(福岡大学理学部地球圏科学科准教授)及び金谷有剛センター長らは、海洋地球研究船「みらい」を用いて地球規模で広域観測を実施した結果、熱帯西部太平洋の海面水温が30℃にも達する高い海域 (暖水プール域) で大気中のヨウ素(一酸化ヨウ素)濃度が高いことを発見しました。

発表のポイント
・海洋地球研究船「みらい」による広域観測の結果、熱帯西部太平洋で大気中のヨウ素(一酸化ヨウ素)濃度が極めて高い海域を発見した。
・この海域において、大気中の一酸化ヨウ素濃度と温室効果ガスである大気中のオゾン濃度が負の相関関係にあることが明らかとなった。
・大気中のヨウ素は、海洋から放出されていると考えられており、これまでの研究では、大気中のオゾン濃度が高いほど、海から大気に供給されるヨウ素は多いとされてきたが、今後はそのプロセスを再考察する必要がある。
・ヨウ素の供給とオゾン消失効果が気候変動に与える影響は、これまで考えられていたよりも大きいことが推測された。これらの物質の影響はIPCC第6次評価報告書では考慮されておらず、第7次評価報告書に向けてその影響評価の向上に取り組む予定。

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    国立研究開発法人海洋研究開発機構
    (本研究について)
    地球表層システム研究センター 招聘主任研究員/ 福岡大学理学部 准教授 高島久洋
    電話:092-871-6631 E-mail:hisahiro★jamstec.go.jp/hisahiro★fukuoka-u.ac.jp
    地球表層システム研究センター センター長 金谷有剛
    電話:045-778-5720 E-mail:yugo★jamstec.go.jp
    (報道担当)
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