【学生の皆さん】 前期授業の開始にあたって

学生の皆さん

教学担当副学長 加留部 善晴
教務部長  檜垣 靖樹


前期授業の開始にあたって

 

福岡大学での学びを心待ちにしていた新入生の皆さんには、4月2日(木)より予定していた対面による履修登録指導ガイダンスおよび履修登録を、非対面によるウェブ履修登録に変更させていただきました。本来ならば、9学部全ての学生さんがワンキャンパスに集い、活気に満ちあふれ、生き生きとした学友との出会いの場となるところですが、新型コロナウイルス感染症で感染経路不明の発症者が増えている中では、このような対応をとらざるを得ませんでした。対面による相談や支援ができない状況ではありましたが、質問や相談はメールや電話等で対応をさせていただき、皆さんのご協力のもと履修登録を実施することができました。どうも、ありがとうございました。

すでに履修登録を済ませて、次のステージに進もうとされていた在学生の皆さんにおかれましては、履修登録後のこれまでの間、前期授業はどうなるのだろうか、課外活動や学外での実習はできるのだろうか、就職活動や大学院進学に向けての準備は大丈夫だろうか、といった不安を抱えている方も多いことと思います。

こうした厳しい状況の中、4月24日(金)より前期授業を開始することといたしました。新型コロナウイルス感染予防と感染拡大の防止のため、当分の間、対面での授業を実施することは叶わず、インターネットを利用した遠隔からの授業(以下「遠隔授業」)を実施せざるを得なくなったこと、何よりも、学生の皆さんと膝をつき合わせて学びの時間を共有できないことをとても残念に思います。朔学長のメッセージにあるように、「Stay home, Save lives, 命ファースト」を念頭に置いて、皆さんの身を危険にさらすことなく、学びの機会をできるだけ早く、可能な限り提供させていただくために、苦渋の決断として対面授業を避け、このような対応となりましたことをご理解ください。

遠隔授業は、教室で学ぶ対面授業とはさまざまな点で違いがありますが、インターネット環境を介してたくさんの人々と等距離で関わることができるという大きな利点もあります。対面型授業の教室には遠近感があり、離れた席に座っている学生たちと接点を持つことは少なくなりがちです。しかし遠隔授業では、同時に多数の学生の意見や声を聞くことができ、そして皆さん自身が彼ら・彼女らに向けて自分の意見を発することもできます。このように遠隔授業では、教室で行われる対面型授業よりも、さらに多くの「関係の種」を蒔くことができる可能性があるのです。ぜひこの可能性を生かしてください。皆さんが今回の遠隔授業で学ぶことを通じて蒔いた「関係の種」が、対面型授業が再開されたあかつきに豊かに芽吹き、これまで以上に新しく多様な関係をもたらしてくれることを、私たちは願っています。本学はワンキャンパスの総合大学です。そこには、遠隔授業で関わった全ての学友たちが、同じキャンパスの中で実際に出会えるという他にはない魅力があります。遠隔授業を通じて蒔き、芽吹いた関係の種を、皆さんなりの仕方で育てていけるよう、大学としても支援していきます。

さて、遠隔授業の実施にあたっては、インターネット通信環境の整備や使用する機器の準備等、ご心配をお掛けしておりますが、福大生お一人お一人に寄り添い、皆さんに不利益が生じないよう、多方面における手段や多様な授業支援ツール等を活用して全力でサポートします。修学全般につきましては、教務課または所属する学部事務室、そして履修科目に関することは担当教員に、遠慮なくご相談ください(お問い合わせ先はこちら)。

本学は、いかなる状況においても、創造性豊かな人間を形成する拠点として、皆さんに学びの機会を提供するという責務のもと、全力で取り組んでまいります。皆さんの健康、そしてご家族の健康を守り、さらには地域社会の持続的な発展を願いつつ、教育を止めてはならない、という本学の使命を全うできるよう、皆さんとともにこの困難を乗り越えていきたいと思います。一日も早く、皆さんがここ七隈キャンパスで笑顔いっぱい元気あふれる学生生活を送れるようになることを願っております。