〔研究者コラム〕ー「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?(第2回)」トクホって何?ー

全5回シリーズで「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?」と題したコラムを紹介しています。コラムを担当するのは松末公彦准教授(薬学部)です。

松末准教授のプロフィルや研究情報はこちらをご覧ください。

00_line-top.gif

トクホは国からお墨付きをもらった健康食品

トクホとこれまでの健康食品は何が違うのでしょうか?そもそも、健康食品とはどういったものでしょう?世間一般には、「なんとなく健康によさそうな食品」程度の認識しか持たれていないかもしれません。実際、健康食品という言葉には法律上で決められた明確な定義はありません。つまり、たとえ健康食品に「病気が治った!」「コレステロールが激減!」など、いかにも効きそうな広告表示がされていても、その効果が保証されているわけではないのです。

一方、トクホは、健康食品といわれるものの中でも国(消費者庁)の個別審査に合格し、有効性や安全性についてヒトを対象とした試験に合格した、健康への効能が科学的に証明された食品です(図①)。つまり、トクホは国からお墨付きをもらった健康食品なのです。

トクホの特徴の1つは、健康への効能が商品に必ず記載されていることです。例えば「血圧が高めの方の食品」や「コレステロールが高めの方の食品」などです。つまり、トクホにはどのような方に適しているか、その判断基準が示されているわけです。そして、トクホにはご存じのトクホマークが必ず貼られています (図②)。

トクホは食品で、薬じゃない

もう一つ重要な点があります。トクホと薬の違いです。上述したように、トクホには必ず健康への効能が表示されています。これらの表示は薬の薬効をイメージさせるかもしれません。しかし、トクホと薬は全く別物です (図①)。トクホと薬では取り締まる法律も異なります。トクホはあくまでも食品であり、「健康な人が自身の健康の増進、維持のために日常的に摂取するもの」です。一方薬は「病人が病気を治すために、医師、薬剤師のもとで使用されるもの」です。

20141009-2.jpg

01_line-under.gif