〔研究者コラム〕ー「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?(第1回)」トクホ誕生の背景ー

今回から全5回シリーズで「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?」と題したコラムを紹介します。コラムを担当するのは松末公彦准教授(薬学部)です。

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世の中は健康食品ブームです。ドラッグストアやスーパー等に行くとさまざまな健康食品が所狭しと並んでいます。しかし、皆さんの中には「健康食品は本当に効く?」「本当に安全?」と疑問を抱く人もいるかもしれません。現に、国民生活センターの資料(平成22年健康食品の表示に関する検討会資料)によると食品に関わる相談件数は、2004年から2008年度の合計で約16万件に上り、そのうち約52%が健康食品に関するものなのです。また相談者の年齢による内訳では、70歳代(約28%)が最も多く、次に60歳代(約21%)となり、健康が気になる高齢者が多い事が分かります。

多種多様な健康食品の氾濫は、われわれ消費者に「どの健康食品が安全?」「どれが効く?」といった混乱を招く結果となりました。世の中、いくら自己責任の時代とはいえ、われわれ消費者にも安全性・有効性に優れた健康食品を選ぶ判断基準が必要となってきたわけです。その判断基準となるべき登場した健康食品が「特定保健用食品(通称:トクホ)」です。

トクホの制度ができてからすでに23年が経過しており、20-69歳を対象にしたインターネットアンケート(2012年)によると、約97%の人がトクホの名前を知っているそうです。ところが、その中で約60%の人が「なんとなく知っている」「意味までは分からない」の知識レベルにとどまっています。このコラムでは「トクホの名前+α」の知識を身に付けることを目的に、いまさら聞けないトクホについて、次回からもう少し掘り下げて話を展開したいと思います。

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