福岡大学では、福大生ステップアッププログラム(FSP)の一環として、アジア圏の協定校の学生を招いて「アジア圏協定校との学生交流セミナー」を行っています。
2017年度は、10月17日(火)から26日(木)にかけて、本学学生12人とベトナムやカンボジア等7カ国13大学から16人の研修生が参加しました。
学生広報サポーター(グーミーズ)の吉川ななほさん(人文学部日本語日本文学科3年次生)が本セミナーに参加し、コラムを執筆してくれたので紹介します。
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■福岡大学でできる素敵な国際交流
10月17日(火)から26日(木)の10日間、福岡大学で“アジア圏協定校との学生交流セミナー”が行われた。福岡大学と協定を結んでいるアジア圏の大学から学生が集まり、さまざまなことを学び合う。今年は、中国、韓国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、カンボジアの7カ国から16人の研修生が福岡大学に集まり、セミナーに参加してくれた。10日間の中で、研修生は文化研修や福岡研修、西九州研修旅行、共同学習等を行う。その各プログラムに福岡大学の学生が関わることになる。今回は、この中で共同学習に参加した私が、共同学習者という視点からこのセミナーを紹介しようと思う。
このセミナーの魅力は、一度に多様な国の人と同じ目的を持って学習ができるという点だと思う。学習というと固いイメージになるかもしれないが、実際は楽しい国際交流であった。同じテーマについて多岐にわたる意見や考え方が飛び交う点が面白い。私は、このセミナーに参加する以前に研修等で2つの国に行ったことがあったが、その時は自分の国と行った先の国のことを比較するところで考えが止まってしまっていた。しかし、今回のセミナーでは、一気に7カ国のことを知ることができた。しかも、その7カ国とは、私にとって普段関わることが少ない国であった。特に、東南アジアの国の人ときちんと話をするのは初めてで、よく知らなかった国のことを知ることができたし、普段考えたこともないような考え方にも触れることができた。
それでは、このセミナーでメインの活動となる共同学習について書いておきたい。共同学習とは、研修生と福大生があるテーマについてグループ学習し、自分たちの考えをまとめ、発表を行うというものだ。今年は、16人の研修生に12人の福大生が共同学習者として加わり、メインテーマ「グローバル社会の光と影-今、アジア圏の若者が考える-」について共同学習を行った。4つのグループに分かれ、それぞれのグループごとにサブテーマを決める。発表会に向けてそのサブテーマに沿って、調べたり、意見交換を行ったりしながら、準備を進めていった。今回は、「差別」「SNS」「企業の世界進出」「言語」等のサブテーマが挙がっていた。どのグループのテーマも普段の学校の授業でよく考えたことがあるテーマであった。しかし、その自分が今まで学んだり考えたりした土台の上に、他の国ならではの問題や他の国の友だちの考え方が加わって、自分の中に新しい視点が生まれた。共同学習は、基本的に各グループで行うが、日を追うごとに他のグループのメンバーとも仲良くなり、たくさん話をした。共同学習中は、みんなが共通に話せる言語というものがないため、さまざまな国の言葉が飛び交う(ほとんどの研修生は日本語が上手だったため、何不自由なくコミュニケーションを取ることはできたのだが…)。そして、日本を含む8カ国のメンバーが集まっているため、多様な文化やものの考え方が混在する。たまに意見が衝突することもあったが、発表会という一つの目標に向けて、みんなでたくさん考え、準備をしてきた。発表会が近づくにつれて、「もっとこのメンバーと一緒にいたい」「いろいろなことをお互いに学び合いたい」と思うようになり、「共同学習の時間がいつまでも続いてほしい」と思うようになっていた。
このセミナーは、共同学習中心にはなるが、共同学習が終われば、みんなでごはんを食べに行ったり、遊びに行ったりもする。共同学習者として参加しなくても、FITとしてキャンパスツアーをしたり、研修生の旅行に引率したりすることもでき、関わり方はさまざまだ。福岡大学でいつもどおりの生活を送りながらいつもの何倍もわくわくする日々を送れる10日間。通常の授業を受けながらの参加となるため、頭も体力もたくさん使う。少し大変ではあるが、その分得たものは両手に収まりきれない。日本に居ながら留学したような、もしかしたらそれ以上の良い経験ができるこのセミナー。このコラムだけでは伝えきれない感動をたくさんの人に知ってもらえたらと思う。