南極域で出現した視程不良のメカニズムを解明

~地球全体の気候変動予測につながる~

南極域は人間の活動域と隔絶しているため、地球上で最も清浄な環境とされています。しかし、エアロゾルが高濃度になることによる視程不良(ヘイズ)現象が、昭和基地で南極地域観測隊によりエアロゾル観測を行っている際に出現しました。

福岡大学理学部地球圏科学科の原圭一郎助教らの研究グループは、1997年から2022年まで行われていた南極地域観測事業のモニタリング観測で得られたデータおよび気象庁の定常観測データを用いて、南極ヘイズの特徴やその影響を分析しました。その結果、南極ヘイズ現象は風の条件だけではなく、海氷面積の変化にも関係し、地上だけではなく、上空に約4㎞まで広がることが分かりました。

本研究で得られた知見は、南極地域だけでなく、温暖化により海氷域が縮小することで発生する北極から北半球を含む地球全体の気候変動予測にも資することが期待されます。

本研究は、福岡大学理学部、京都大学生存研究所、名古屋大学大学院環境学研究科、国立極地研究所との共同研究によるもので、研究成果は、2025年8月1日付で下記サイトに掲載されました。

  • 関連リンク
    npj Climate and Atmospheric Science
     
  • 【お問い合わせ先】
    福岡大学理学部 助教 原 圭一郎
    電話:092-871-6631(代)(内線:6181)
    E-mail:harakei★fukuoka-u.ac.jp
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