福岡大学筑紫病院小児IBD研究会が 厚生労働省子ども家庭局長賞を受賞

炎症性腸疾患(以下、IBD)は比較的若年者に発症する原因不明の疾患です。頻回な排便・腹痛を認め、長期にわたる治療や食事制限など生活上で大きな支障をきたします。この様な症状で診断を受ける方は増加していますが、実際にIBDと診断される人は少なく、中学校3校あたり1人程度の有病率です。

この様な疾患の特徴から、IBDの子どもが生活上の共感を得られていない実態があるのではないかと考え、10代のIBDの子どもたちと福岡大学筑紫病院の有志により多職種にて実態調査とワークショップを2019年より実施しています。2020年度には、その成果物として『学校生活をより良いものにするために』を発行しました。そうした取り組みが評価され、この度、第10回「健康寿命をのばそう!アワード」(厚生労働省主催)において厚生労働省子ども家庭局長賞団体部門優良賞を受賞しました。この賞はすべての子どもが健やかに育つ社会の実現に向け、母子の幸せで健康な暮らしを支援するための健康増進を目的とする優れた取り組みを表彰し、これを広く国民に周知することにより、あらゆる世代の健やかな暮らしを支える良好な社会環境の構築を推進することを目的としています。

  • <受賞研究の要点>
    ・参加者:筑紫病院に通院歴があり、研究協力に同意を得たIBDの10代の子ども達、医療・教育・デザイン分野の専門家(9職種)
    ・目 的:10代のIBDの子ども達が生活上抱える問題を解決する
    ・方 法:対面およびオンラインにてワークショップを実施
    ・内 容:子どもたちの学校/生活実態のデータ収集とピアサポートの場を提供するためのワークショップを実施。データを収集、分析・デザイン化し冊子を作成

     
  • 【お問い合わせ先】
    福岡大学筑紫病院 臨床保育士 髙野 祥子 
    電話:092-921-1011(代)(内線:7157)
    メールアドレス:abes★fukuoka-u.ac.jp
    ※メールを送る際は、「★」を「@」に変えてください。