【世界初】飲酒で生じる新規のDNAの傷を修復するメカニズムを発見

アルコール摂取によって体内に生じる化学物質“アセトアルデヒド”は、ヒトに対して発がん性があると考えられています。福岡大学理学部化学科の倉岡功教授の研究グループは、この発がん性の原因について、「アセトアルデヒドが、これまでに知られていないタイプの傷をDNAに与えること」であると2019年に発見しました。
同グループはさらに研究を進め、このたび「この新しいタイプのDNA損傷を修復するメカニズム」を世界で初めて発見しました。この研究は、大阪大学基礎工学部の岩井成徳教授のグループとの共同研究によるものです。
この修復メカニズムは、意外なことに、これまで知られていた「紫外線によって生じるDNA損傷を修復するメカニズム」と同様のものでした。よって今回の発見は、紫外線やアルコール摂取など生活に身近なものから生まれる“発がん性”を抑えるDNA修復メカニズムの重要性をあらためて示しています。今後はDNA修復メカニズムを基盤とした創薬研究への発展が期待されます。
本研究成果は、2021年9月21日(火)付けで『Carcinogenesis』に掲載されました。
  • 論文掲載ウェブサイトは、こちら
  • 【お問い合わせ先】
    福岡大学 理学部化学科 教授 倉岡 功
    電話:092-871-6631 (内線 6222) 
    メールアドレス:kuraoka★fukuoka-u.ac.jp
    ※メールを送る際は「★」を「@」に変えて下さい