2018年度グッドデザイン賞受賞の"オール住田町産サイン" 工学部社会デザイン工学科 柴田久教授が取り組みに携わる

 

福岡大学工学部社会デザイン工学科の柴田久教授がディレクターを務めた岩手県住田町での取り組みが、2018年グッドデザイン賞(東日本大震災復興支援特例措置枠)を受賞しました。

この取り組みは、2011年の東日本大震災によって被災した岩手県陸前高田市の隣町、住田町で行われているものです。住田町は、陸前高田市の被災者にいち早く仮設住宅を提供した町として知られており、町内のコミュニティづくりの一環として2年前にスタートした案内板づくりが、今回グッドデザイン賞を受賞しました。

この取り組みには、デザイナーや柴田教授をはじめ、地元住民、ボランティアガイドが携わりました。住田町のまちづくりの課題として目を付けたのは、高度成長期にまちの名所に設置された統一性に欠けた案内板。地域住民やボランティアガイドとのワークショップを通して、これらの案内板をまちの新たな”サイン”として、自分たちの力で作り上げることがまちづくりにつながるのではないかと意見がまとまりました。

そうして作り上げたサインは、支柱に鉄を、案内板本体に木材を採用したモダンなデザイン。これらの材料は、古くから製鉄のまちとして栄え、さらには豊富な木材に恵まれている住田町の特性を生かしたもので、いわば“オール住田町産のサイン”となりました。支柱部分の鉄にいたっては、柴田教授自身も川に入って砂鉄や鉄鉱石集めを行ったり、熱した鉄を叩いて支柱の形に仕上げていく「鍛錬」という作業にも携わったりしました。

柴田教授は、「今回の活動は、町内のコミュニティづくりに貢献しただけでなく、統一したデザインの案内板を町内各所に設置したという点で、景観づくりにもつながっています。今後も続く取り組みとして、より多くの世代の住民に携わってもらうことで、まちづくりをより活性化させていければ」と話します。
 

  • 【お問い合わせ先】
    福岡大学 工学部社会デザイン工学科 柴田 久 教授
    電話:092-871-6631(代)(内線:6484)
    メールアドレス:hisashi★fukuoka-u.ac.jp
    (メールを送る際は「★」を@に変えてください)