新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
本年が、皆さまにとりまして良い年となるようお祈り申し上げます。

21世紀が始まり、すでに四半世紀が経ちました。先進国では、前世紀の科学や技術、流通の発展により、衣食住の心配はかなり減りました。またワクチンや抗生物質などの医学・薬学の進歩により、多くの病気との戦いで成果が出ています。しかし世界的には、貧困や紛争、気候変動、感染症など数多くの課題が未解決のままとなっています。一方、国内では、少子高齢化、グローバル化の進展、情報技術(IT)、特に今世紀に入ってからのデータサイエンス(DS)や人工知能(AI)技術の発展等により、私たちを取り巻く環境は急速に変化し、先行きが見えにくい時代となっています。

本学は、創立以来この92年の間、社会の中核を担う人材を育成し、多くの卒業生が社会の至る所で活躍することで評価されています。そのような中核となる人材の育成こそが、多くの課題を解決し、社会を発展させる上で重要と考えています。9学部31学科、大学院10研究科34専攻が一つのキャンパスに集まり、約2万人の学生と4,000人超の教職員が密な交流を重ねる環境で、多様性を尊重し、豊かな感受性を育み、他では磨かれない人格を陶冶できるよう、その整備にさらに力を注ぐ所存です。

本学はその特徴から学際的な交流を生み、偶然の出会いから新しい価値が生まれる「セレンディピティ」に満ちています。その幸運を「教育」「研究」「医療」「社会貢献」のそれぞれの分野で存分に活かし、新たなチャレンジを続けてまいります。令和8年の干支は丙午(ひのえうま)で、情熱や変化を象徴し、エネルギーに満ちた年とされています。この力強い機運を味方にして、未来を切り拓く「知の拠点」として進んでまいります。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

令和8年1月1日
福岡大学長 永田 潔文