新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る本学の対応について

学費負担者の皆さまへ

福岡大学長 朔 啓二郎

 

新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る本学の対応について

 

日ごろから、本学の教育・研究・医療につきまして、ご支援・ご理解を賜り誠にありがとうございます。

さて、今回の新型コロナウイルス感染拡大は、世界中の人々に恐怖心を抱かせ、併せて経済的にも大打撃を与えております。4月の「緊急事態宣言」以降、大学へ入構することもままならない状況が続き、学生の皆さまには多大なご不自由を強いることになりました。大学としましても、一日でも早くキャンパスで授業が開始できるよう様々な対策を講じてまいります。

9月14日(月)から開始しました後期授業も、原則、遠隔授業としていますが、少人数での授業等においては、感染予防対策を講じたうえで、各学部・研究科の判断で一部の対面授業を実施しています。多人数による授業は、感染防止の観点から、引き続き遠隔授業で対応させていただきます。なお、大学への入構に関しては、徐々に緩和させており、図書館や食堂、PC教室、体育館など多くの施設を利用できます。このように、可能な範囲で緩和措置をとっておりますが、感染防止の観点より、人数制限等をさせていただく場合もございます。皆さまからも、ご子女等に対して、3密(密閉・密集・密接)回避、マスク装着、手洗い実施など、引き続き感染防止を心掛けた行動をとるようお伝えいただければ幸いです。世界的に感染拡大が収まらない新型コロナウイルス感染症から皆さまを守るための措置(命ファースト)ですので、重ねてご理解いただきますようお願いいたします。

また、このような状況下ですので、学費等納入金に対して、学費負担者や学生の皆さまから様々なご意見をいただいております。ここで、このコロナ禍に対応するために、本学が行ってきた諸事業等をご紹介させていただくとともに、皆さまから納入いただいております学費等納入金に対する考え方をお話しさせていただきたいと思います。


  • コロナ禍における本学の緊急支援策(総額 約4億8,500万円) 
    今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けた現在までの本学の取り組みについてご紹介します(令和2年9月現在の実績)。

1.遠隔授業関係(約2億7,000万円)
①遠隔授業に対応するためのインターネット環境整備に係る経済的支援として学生1人に対し一律1万円のギフトカードをお送りしました。
②遠隔授業のためのシステム改修や遠隔授業システムの導入を行うとともに、学生の皆さまへの無償貸し出し用パソコン、Wi-Fiルータ及びWebカメラを準備しました。
③学生の皆さまの遠隔授業への疑問に答えるためヘルプデスクで支援対応しました。

2.福岡大学学生サポート募金より学生に対する支援金支給(約3,100万円)

3.本学独自の経済的支援制度(約1億500万円)
福岡大学奨学金(緊急貸与)をはじめ、本学独自の授業料減免や少額緊急貸付制度について、ご案内を差し上げ対応しています。

4.その他(約7,900万円)
①学生の皆さまのメンタルヘルスケアのためにアンケートを実施し、その対応を行っています。
②本学ものづくりセンターにて、コロナ禍対策用品(学生窓口のパーティション等)の製作等を進めています。
③学費納入期日の繰り下げを行いました。

これらの活動のほか、学費負担者の皆さまには、国の経済的支援制度〔高等教育修学支援新制度、学生支援緊急給付事業(「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』)、日本学生支援機構貸与型奨学金(緊急採用・応急採用)〕のご案内や諸手続きは勿論のこと、各種教育ローンのご案内もさせていただきました。


  • 学費等納入金に対する考え方
    本学は、学費等納入金の取り扱いについて、次のように考えております。

1.学費等納入金は、授業の受講や単位の認定、施設の使用など大学における教育に関する役務の提供に対する対価であり、単に授業日数に応じてではなく、一定期間に行われる教育役務の提供に必要な費用の一部として定め、学生の皆さまに対してご負担を求めているものです。従って、臨時休業により授業が行われないことになる場合においても、各学年の課程の修了や卒業の認定を行ったり、休業中の教育・研究等の支援や臨時休業終了後の補講等の配慮を行ったりするなど、学費等納入金はこうした役務の提供を含め、大学の教育活動に必要となる費用を総合して定め、半期ごとに納入をお願いしております。現在のコロナ禍、学生の皆さまが遠隔授業で自宅にいながら学習や研究が行えるのも、皆さまに学費をお納めいただいているおかげです。

2.本学では、学部生は4年間または6年間で学士号を、大学院生は2年間で修士号を、また、3~6年間で博士号を取得するための教育を提供しています。学費は、それぞれの学位を授与するために必要な教育を修了することへの対価として総額で設定しています。したがって、感染症などから学生を守るため、それに相応しい授業形態(遠隔授業など)を行った場合でも、学費が変動するものではありません。大学の学費は、学部や大学院等の在学期間に受ける教育に対して、必要とされる総額を年数で均等割(平準化)して納めていただいています。

また、本学では、これからの社会構造を見据え、ICT関連の教育・研究および授業がより充実した環境で実施できるよう5カ年計画の「情報化ロードマップ2020」を策定し、積極的投資を行っております。今年度も、キャンパス内のネットワーク等情報インフラをより充実させるとともに、教育研究に供するメディアシステムや図書館の情報システムを更新しました。

さらに、このコロナ禍に対応するため、遠隔授業のための情報基盤整備(前述の遠隔授業のためのシステム改修等)を行っております。このような設備投資が可能となるのも、皆さまからいただいています学費のおかげです。新型コロナウイルス感染症拡大により、本学においては、想定外の対応に苦慮しておりますが、これに伴う費用は、皆さまからいただいた学費の中で対応させていただきます。


本学においては、これからも引き続き、感染状況を注視しつつ、学生の皆さまの安全面・健康面、そして命を守ること、「命ファースト」の基本姿勢で取り組んでまいります。また、学生の皆さまへの教育についても、遠隔授業と対面授業のメリットを生かし、より良い教育の実現に向けたニュースタイルの学びの場の提供に向け取り組んでまいります。

引き続き、皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。