令和2年度父母懇談会中止に伴って、学長等からご父母の皆さまへメッセージ

令和2年度父母懇談会は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、秋以降に延期しての開催を検討してきました。しかしながら、昨今の社会情勢を踏まえ、感染拡大の防止および皆さまの安全確保を考慮し、誠に残念ながら中止することといたしました。

それに伴い、大学よりご父母の皆さまへのメッセージを掲載しますので、ぜひご覧ください。なお、ご子女に関する修学等のご相談につきましては、随時お問い合わせください(各窓口のお問い合わせ先はこちら)。
 


 

ご父母の皆さまへ

                     福岡大学長 朔 啓二郎

はじめに:今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、秋以降の開催を予定していました「父母懇談会」を残念ながら中止することといたしました。ご父母の皆様には、コロナ禍でご子女の教育や生活に対して、様々な不安を抱えておられることと思いますが、本学は基本方針である<命ファースト>の下、最大限の努力で教育の質を担保したいと考えております。何卒ご理解・ご協力を賜れば幸いでございます。

コロナの影響:さて、今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの原因は、新型コロナウイルスに対して私たちが免疫を持たなかったこと、適切なワクチンや予防薬・治療薬が無かったこと等があげられます。私たちは元来、無数の細菌やウイルスと共存して来たのですが、コロナの影響は決定的に大きく、生活習慣まで劇的な変容をもたらしました。「コロナでは死にたくない」「葬儀をしてもらう権利さえ奪われる」といった死生観まで変化したのです。私たちには、今回の新型コロナウイルス感染症の経験から得たノウハウを生かし、今後も発生するであろう新規ウイルスに対応することができる社会体制の構築が求められています。大学教育も「ニューノーマル」に移行する絶好の機会と捉え、そのようなチャンスを与えられた学長として、様々な提言やコメントを本学公式ウェブサイト等に掲載してきました。

本学の取り組み:戦後に育った私たちは、初めて感染症による「緊急事態宣言」を経験しました。本学でも卒業式、入学式を中止し、緊急事態宣言と共に学生の大学構内への立ち入りを禁止しました。新入生においては、一度も大学を訪れることなく、ネット環境が整わないために親元にいることを選択した学生もいます。本学としては遠隔授業(オンデマンド型・同時双方向型)、実習を伴う教育においても新しい手法で打破しようと様々な方略を模索しています。非対面方式には限界がありますが、利点もあります。以前の体制に拘ることなく、今回の新型コロナ禍から学んだことを、新たな教育体制の構築に生かすべきと考えます。また、新型コロナの感染拡大を防ぐために、「うつさない。うつされない。感染の可能性を疑う。」の意識を持つこと、マスクの使用や手指消毒等の日常的な行動様式、そして、健康が最も大切であること等、コロナ禍で「正しく生きる教育」を心掛けています。本学では、行動指針表「行動指針(レベル0~IIIb)」「教育・授業活動(クラス0~II)」「課外活動(ステージ0~III)」を策定し、社会情勢に鑑みながら行動指針等を逐次ウェブサイト等で呈示し、注意喚起しています。

高等教育機関としての福岡大学:卒業生27万人超を擁する福岡大学は、創立以来、西日本屈指の総合大学として、発展し続けています。大学の将来は正しい方向、公正かつ公平な立場を遵守することを旨とします。多様化する社会に、良心、理性、自由選択の3本柱を大切にしていく所存です。私たちの世界は万事、定められた時があるそうです。今こそ大学改革を推進すべき時と考え、たえず前進の姿勢で臨み、将来の日本・世界を支える本学学生の教育環境のさらなる充実を図ります。ここに改めて、ご父母の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。最後になりますが、ご子女のますますのご成長を祈念いたします。


 

学修について

教務部長 檜垣 靖樹

授業については、4月から原則として遠隔で実施してきました。通常の対面授業については、社会情勢の変化に応じて段階的に開始しています。まず、6月から実験や実習など対面授業を必要とする少人数の科目で開始し、さらに、後期から卒業研究、資格取得、スキル獲得を目的とした科目や一部講義科目も開始しました。なお、対面で実施する際にも遠隔での受講ができるようにして、いずれの場合においても不利益が生じないように配慮いたします。

通信機器やインターネット環境の整備が間に合わない学生には、パソコンやモバイルルーターの無償貸与をいたします。台数には限りがありますが、教務課までご相談ください。また、学内の感染症予防対策を講じた上で、キャンパス内で遠隔授業の受講や必要な資料・レポートの印刷ができるよう学習環境の整備に努め、コロナ禍でも学習の質の担保と機会の保障に向けて教職員一同積極的に取り組みます。

ご子女の学修状況につきましては、9月中旬に郵送させていただきます成績通知書をご覧ください。『父母懇談会のしおり』の24ページには、成績通知書の見方が掲載されています。ご不明な点があれば各学部事務室までお問い合わせください。


 

学生生活について

学生部長 栫井 昌邦

今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、クラブの新入生勧誘週間や東日本復興夏期セミナー、そして本学最大のイベントである学園祭等、多くの行事やプログラムの開催や募集を見送りました。部活動には感染防止対策を指導するとともに活動の制限も課しています。また、本学は、国の公的支援制度だけでなく、独自の奨学金を用意する等、学生の経済支援に力を入れています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け家計が急変した学生に対する支援として、本学独自の授業料等減免制度を新たに設けました。さらに、遠隔での心理相談体制の整備や自動音声認識システムを活用した聴覚障がい学生支援の導入等、コロナ禍における新たな学生支援にも取り組んでいます。学生や保護者の方からの問い合わせや相談に随時応じておりますので、ご質問があれば学生課までお問い合わせください。


 

就職・進路支援について

就職・進路支援センター長 蓑輪 靖博

このたびの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、就職・進路支援センターでは、4月8日から現在までインターネット等による就職・進路支援を続けています。4年次生(薬学部は6年次生)には、1日最大54名対応のオンライン就職相談、模擬面接を実施し、多くの学生が利用しています。また、就職活動の準備に入る3年次生対象「就職ガイダンス」や全学年次生対象「キャリア形成支援」の各種セミナー等をオンラインで実施しています。3年次生、5年次生の保護者の皆さまには、本学が開催する「就職支援行事案内」を改めて郵送いたします。ぜひとも、ご高覧いただければ幸いです。

コロナ禍により学生は進路・就職に不安と戸惑いを感じています。就職・進路支援センターでは、今まで以上に、一人ひとりの学生に寄り添い、親身な就職支援に取り組んでまいります。ご子女の就職・進路のことでお悩みごとがありましたら、遠慮なく就職・進路支援センターまでお問い合わせください。