福岡大学附属若葉高等学校の高宮校地移転検討に係る新聞報道について

福岡大学長

福岡大学附属若葉高等学校の高宮校地移転検討に係る新聞報道について
 

令和元年9月3日及び4日の新聞紙上に掲載された表題に関する記事について、これまでの経緯をお知らせします。

福岡大学附属若葉高等学校(以下「若葉高校」という。)の高宮校地への移転については、本年4月10日付けで、福岡大学公式ウェブサイトにてお知らせしましたとおり、一旦白紙に戻し、よりよい教育環境の構築に向けて中長期的な観点から再検討することにいたしました。

私は、本移転について平成29年12月の理事会にて審議、了承されたことを受けて準備を進めてまいりましたが、建設資材や人件費の高騰で建設費が大幅に膨らんだため、計画内容を見直し、平成30年12月の理事会に提案の上、評議員会に諮りました。しかし、評議員会において賛同を得られなかったため、この評議員会を受けて開催した同日2回目の理事会において、平成31年3月の理事会に再提案することとなりました。再提案において、より具体的な内容となるよう、平成31年1月及び2月の大学協議会(福岡大学の重要事項を審議する会議)で移転に関して協議を継続しておりました。

しかしながら大学協議会では、建設費変更等に対する反対意見が強まったことに加え、平成31年度から男女共学となる若葉高校の今後の入学状況を見るべきなどの意見もあり、同年3月14日の大学協議会において、移転について一旦白紙に戻し、現校地での建て替えも含めて一から検討することにいたしました。同年3月28日の理事会において、このことが報告され了承を得ております。

私は、平成30年2月に若葉高校移転(平成34年4月移転)を公表していたことを踏まえ、平成31年3月の理事会への再提案に向けた検討を行いました。その中に、①高宮校地の地質調査、②新校舎の基本設計の継続がありましたが、同年5月30日の理事会および評議員会で、一部理事および評議員からこれらの進め方に対して疑義が呈されました。

これを受け、同年6月20日の理事会において、若葉高校の移転に係る意思決定プロセスを調査し、必要な措置をとるため、第三者を含む調査委員会(弁護士、本法人理事、大学同窓会・大学父母後援会関係者による計7人で構成)として「若葉高校に係る特別委員会」(以下、「特別委員会」という。)を設置しました。

特別委員会では、同年7月17日にその結果が報告書としてまとめられました。報告書の大要は、最終的には司法によって判断される、としたうえで、「執行部の各員には、自己もしくは第三者の利益を図る目的や大学に損害を与える目的で任務に背くなどの違法性はない。しかし、平成30年12月の理事会・評議員会により平成29年12月の理事会及び評議員会の決定が効力を失った以上、地質調査や基本設計は速やかに中止すべきであったが、手続きを継続したことは忠実義務に違反する」とのもので、平成30年12月の理事会・評議員会にまで遡った結論となりました。

報告書については、令和元年7月26日の理事会にて報告、審議するとともに、同年8月1日の大学協議会にて報告しました。

理事会においては、特別委員会の判断を尊重して対応すべきという意見がある一方、理事会の諮問機関である評議員会で平成30年12月に賛同を得られなかったものの、同日の理事会では移転そのものを撤回する決議はなされておらず、平成31年3月の理事会に再提案することが決議されている点を踏まえ、平成30年12月に平成29年12月の理事会決定が効力を失ったという特別委員会の認識に疑問を呈する意見もありました。

そのような中、大学執行部は、地質調査や基本設計を速やかに中止すべきであったとする特別委員会の指摘を厳粛に受け止め、この問題を早期に収束させるべく、結果責任の一端として一定の責任を負う旨、理事会に申し出をいたしました。

その申し出について、令和元年8月29日の評議員会にて報告及び本学の対応について意見聴取を行ったのち、同日の理事会において、最終的な対応が審議されましたが、結論には至りませんでしたので、改めて対応案を検討の上、理事会に付議されることになりました。

以上、これまでの経緯の概要をご説明いたしました。

関係者の皆様に、ご心配をおかけしていることについて深くお詫び申し上げます。

以 上

【お問い合わせ先】
福岡大学 広報課長 加茂 愼二
電話:092-871-6631(代)(内線:4630)
FAX:092-864-9415