医学部医学科入学試験に係る第三者を含む調査委員会の最終報告と福岡大学の対応について
福岡大学
平成30年11月22日に文部科学省から、本学医学部医学科入学試験における現役・浪人という属性により、一律に点数に差異を設ける取扱いに対して指摘を受けておりました。受験生をはじめ関係者の皆さまには不安とご迷惑をおかけしましたことを、本学として深く反省いたしております。
指摘内容を検証するため、平成30年12月14日に第三者を含む調査委員会「福岡大学医学部医学科入試制度調査委員会」(以後、調査委員会)を設置しました。約三か月に亘る調査期間を経て、平成31年3月27日に調査委員会から同月26日付報告書の提出を受けました。
本学といたしましては、この報告書の内容を真摯に受け止め、医学部医学科入学試験に関する対応について、以下のとおり決定いたしましたのでお知らせします。
【調査委員会からの報告内容】
- 現役・浪人という属性により一律に点数に差を設ける取扱いは、不適切といわざるを得ないものと考える。
- 前述のとおり不適切ではあるが、その程度は高いものとはいえないと評価できる。
- 不適切性の程度は、追加入学の措置をとることまで要求されるものではないと考える。
- どのレベルまでの対応措置をとるべきかという点については、原則に立ち返って、当大学において、当委員会の報告書を参考にした上で、自主的に判断されるのが相当と考える。
報告書(概要版)はこちら
4月4日付調査委員会からの訂正申出書はこちら
【本学の対応】
1.平成29年度及び平成30年度医学部医学科入学試験の一般入試(系統別日程)二次選考及びA方式推薦入試を受験された皆様全員(本学医学部医学科に入学された方を除く)に対し、不適切な入学試験を受けざるを得なかったことについて、慰藉並びに入学検定料の返還を合わせ、お一人当たり金壱拾萬円をお支払いいたします(お支払方法等詳細は、後日、本学公式ウェブサイトでお知らせします)。
なお、調査委員会の提言に鑑み、追加入学の措置はとりません。
2.平成31年度入学試験については、一般入試(系統別日程)二次選考及びA方式推薦入試においてそれ以前にあった高校卒後年数による一律的な取扱いの差異を排し、入学試験を実施しました。
3.平成32年度以降の医学部医学科入学試験については、報告書の提言を踏まえ、次のとおり取扱い、公正かつ妥当な方法による入学試験の実施を目指します。
① 受験生のいかなる属性によっても合否判定に至る取扱いに差異を設けず、全国医学部長病院長会議が平成30年11月16日に公表した「大学医学部入学試験制度に関する規範」に従うこととします。
② 調査書の評価においては、医師としての資質(医学を学ぶ意欲、勤勉さ、誠実さ、他者への理解など)を精査して活用し、属性によって一律に点数化するなどの不適切な取扱いは廃止します。
③ 面接においては、コミュニケーション能力、表現力、倫理観、使命感を評価し、これまで以上に一人ひとりの人物評価を丁寧に行い選考します。
④ 医学部医学科入学試験制度の問題点を検討し、公正かつ妥当な試験制度のあり方を調査・研究することを目的とした組織の設置を検討します。
⑤ 今後とも公正かつ妥当な入学試験の実現を目指して自由闊達な審議を行い、検証を重ねつつ、本学全体として取り組んでまいります。
以 上
- 本件に関するお問い合わせ先
受験生、高校関係、一般の方:入学センター
報道関係の方:広報課
※ともに電話は092-871-6631(代)(電話交換に、部署名をお申し出ください)