医学部医学科の入学試験の改善について

医学部医学科の入学試験の改善について

福 岡 大 学

 このたび、文部科学省からの指摘に対応するため学内に設置した医学部医学科入試改善委員会において、高等学校作成の調査書の従前の取り扱いについて検証した結果、時間的な経過(卒業年度)を考慮した評定平均値の評価は、高校卒後年数により一律的に差異を設けており不適切であったとの見解に至りました。

 本学といたしましては、文部科学省の指摘を厳粛に受けとめ、全国医学部長病院長会議が11月16日に公表した規範を順守し、今後の医学科入試については、合否判定に至る手続において高校卒後年数による一律的な取り扱いの差異を一切設けないことにしました。なお、11月25日に実施したA方式推薦入試については、卒後年数による一律的な取り扱いの差異を取り除いたうえで合否判定をいたしました。

 受験生をはじめ関係者の皆さまには不安とご迷惑をおかけする事態となり、心よりお詫び申し上げます。

 平成31年度を含めた今後の入試については、次のとおり取り扱います。

 ①これまであった卒後年数による一律的な取り扱いの差異を取り除き、全国医学部長病院長会議の「大学医学部入学試験制度に関する規範」に従うこととします。

 ②調査書の評価については、医師としての資質に関する内容(医学を学ぶ意欲、勤勉さ、誠実さ、他者への理解など)を精査して活用し、これまで行ってきた評定平均値の点数化は廃止します。

 ③面接については、コミュニケーション能力、表現力、倫理観、使命感を評価し、これまで以上に一人ひとりの人物評価を丁寧に行い選考します。

 なお、このたび文部科学省から指摘を受けた医学科入試における調査書評価の不適切性の問題点を詳細に検証するため、第三者を含む調査委員会をすみやかに設置いたします。

  • 本件に関するお問い合わせ先
    受験生、高校関係、一般の方:入学センター
    報道関係の方:広報課
    ※ともに電話は092-871-6631(代)(電話交換に、部署名をお申し出ください)

 

(これまでの経緯)

 東京の私立医科大学における入学試験の不正問題に端を発し、文部科学省は全国81の大学を対象に8月10日付で書面による「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」を実施しました。本学は、当該調査において年齢による取り扱いの差異を設けているとし、理由や内容に関して「調査書については、評定平均値を段階評価して選考に使用していますが、有効性の観点から、時間的な経過(卒業年度)も考慮しています。なお、調査書の評定平均値を除く項目については、総合的な評価に活用しています」と回答しました。
 文部科学省は、緊急調査の結果速報を9月4日に公表、その後、30大学への訪問調査を開始、10月23日には「入学者選抜の公正な実施に向けての文部科学大臣メッセージ」とともに中間まとめを公表し、併せて、残りの50大学に対しても訪問調査を順次実施していることを表明しました。
 11月9日に実施された本学への訪問調査では、調査書を評価する際の取り扱い方を含め医学科入試の実施状況についての詳細な説明が求められました。
 その結果、11月22日に文部科学省から医学科入試における調査書評価の取り扱いは不適切である可能性が高いとの指摘を受け、本学として事実関係を明らかにした上で公表することにいたしました。
 直ちに医学部医学科入試改善委員会を学内に設置し、検討を進めた結果、時間的な経過(卒業年度)を考慮した評定平均値の評価は、高校卒後年数により一律的に差異を設けており不適切であったとの見解に至りました。今後の医学科入試については、合否判定に至る手続において高校卒後年数による一律的な取り扱いの差異を一切設けないことにしました。