〔学生取材コラム〕東日本復興支援プロジェクト活動報告 ー子どもとの関わり編ー

福岡大学では、2011年から東日本大震災の被災地においてボランティア活動を行っており、これまで延べ302人の学生および教職員を派遣してきました。

5年目となる今年、この活動は「東北の復興へ向けた支援を行うとともに、防災および災害支援について学習する『東日本復興支援プロジェクト』」として生まれ変わり、より充実した活動の内容となりました。学生らは、事前研修・現地でのフィールドワークの後、事後研修を経て、自分たちにできる防災・減災対策や復興支援に取り組むことになります。

6月から5回にわたる事前研修を経て、8月18日(火)から8月24日(月)までの7日間、教職員合わせて53人(学生:48人、教職員:5人)が宮城県の気仙沼市や南三陸町などで活動を行いました。

全体リーダーである岡村啓太さん(法学部法律学科3年次生)に学生広報サポーター(グーミーズ)の樫山木の実さん(法学部経営法学科2年次生)と吉川ななほさん(人文学部日本語日本文学科1年次生)の2人が話を聞きました。全5回にわたって紹介します。今回は、2回目の取材コラム「子どもとの関わり編」です。

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岡村さんと子どもの関わり」

平成27年度東日本復興支援プロジェクトの全体リーダーを務めた、岡村啓太さん(法学部法律学科3年次生)は将来、社会科の教員を目指している。岡村さんは子どもが大好きで、普段から塾のアルバイトやサークル活動で子どもと触れ合う機会を多く持っている。そんな彼は今回のプロジェクトで震災の被害を受けた子どもたちが通う小学校を訪れ、多くの小学生とカレー作りや遊びなどを通して触れ合った。子どもが喜ぶ姿を見ると、力になれたことを実感でき、来て良かったと思ったそうだ。

プロジェクトの一環で、3日目と4日目には被災した方から直接お話を伺う「語り部ツアー」が行われた。語り部ツアーで訪れた宮城県石巻市と山元町には、亡くなられた方の名前や年齢が刻まれた石碑があり、そこには家族や生まれたばかりの子どもの名前が書かれている。岡村さんはそれを見て、「辛い」という言葉では言い表せないような感情になったと言う。

岡村さんは、このプロジェクトで訪れた全ての場所で同じ質問をした。それは「震災の被害を受けていない日本の子どもたちに伝えるとしたら何を伝えたいですか」ということ。教員を目指している岡本さんならではの質問だ。震災を経験した大人から返ってきた言葉は、「もし何か起きたときにどう行動するか考えること」「普段から危機感を持って行動をすること」など似た答えで、皆さんが同じようなことを知ってもらいたいと思っていたことが分かったという。一方で、福岡大学の学生と触れ合い、楽しそうな笑みを浮かべる子どもから震災当時の話を聞くことは胸が痛く難しかったようだ。

岡村さんは東北から帰ってきて早速、アルバイト先である塾の子どもたちに現地で撮影した写真を見せながら自分の体験談を話し、震災の恐ろしさや家族の大切さについて伝えた。岡本さんが将来教員になったときに子どもたちに伝えたいこと。それは、「自分の目で見る大切さ」だそうだ。「百聞は一見に如かず」という言葉のとおり、自分の足でその場所へ行き、実際に見ることで感じることや分かることがあるのだという。今回のプロジェクトで東北に足を運び、自分の目で見たからこそ感じたものや現地の方々と実際に触れ合ったからこそ学べたことがある、ということが岡本さんの話から伝わった。

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(写真)震災の被害を受けた小学校の子どもたちとの交流の様子

【学生広報サポーター「グーミーズ」・樫山木の実さん(法学部経営法学科2年次生)】

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※岡村さんの経験談は『学園通信』秋号(第51号)〔2015年10月15日発行予定〕にも掲載予定です。

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