〔研究者コラム〕ー「景観デザインによる安全安心まちづくり―警固公園のリニューアル(第1回)」治安の悪化が問題視されていた警固公園ー

2014年10月1日(水)、柴田久教授(工学部社会デザイン工学科)を中心に「景観まちづくり研究室」が再整備に携わった警固公園がグッドデザイン賞を受賞しました(ニュース記事)。今回から全5回シリーズで「景観デザインによる安全安心まちづくり―警固公園のリニューアル―」と題して、警固公園再整備事業の経緯や設計プロセスとともに、公園の再整備がもたらした効果について柴田教授が紹介します。

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警固公園は福岡市の中心地「天神地区」に位置し、周りにはソラリアプラザ、三越などの商業ビルに加え、東側には西鉄福岡(天神)駅、南側には警固神社が立地。地下には駐輪場と福岡中央駐車場もある。地元のテレビ番組に取材場所として多く登場し、路上ライブや冬のイルミネーションの開催場所としても有名で、広く九州一円から、特に若者の集まる人気スポットとなっている。

しかし、こうした若者の人気とは裏腹に、リニューアル前の警固公園には、高い築山や老朽化したトイレ、繁茂した樹木等による死角や暗がりが多く存在し、見通しの悪い園内の通路や施設には落書きや無許可でのポスターの掲示などが多く見受けられた。また、スケートボードやピストバイク等の練習によるベンチや舗装面の破損により、景観的にも醜悪な状況を呈していた。深夜にはハント族と呼ばれる集団がたむろし、さらにはレイプ事件や薬物売買等の悪質な行為も横行するなど、夜間にはほとんど人通りが見られない危険な公園となっていた。これらの事態を打開すべく、福岡県警察によるパトロールや市民と周辺企業の人々による防犯ボランティアの活動も行われていたが、効果的な問題解決にまでは至らず、頭を悩ます状況が続いていた。

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写真:リニューアル前(左)とリニューアル後(右)の警固公園

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