〔研究者コラム〕ー「磁石と省エネルギー(第1回)」身の回りの磁石ー

今回から6回にわたり、「磁石と省エネルギー」に関するコラムを紹介します。紹介するのは、理学部物理科学科の眞砂卓史准教授で、研究分野は「物性(スピントロニクス)」です。

眞砂准教授のプロフィールや研究情報等はこちらからご覧ください。

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【第1回 「身の回りの磁石」】

磁石は私たちの周りの至る所で使われています。どれくらい思いつくでしょうか?身近な所では、黒板や冷蔵庫にくっつける磁石や、車に付ける初心者マークなどにも使われるゴム板状の磁石などがあります。

人類が鉄を引き寄せる石(磁鉄鉱:砂鉄の大きなもの)に気が付いたのは、古代ギリシャ時代からといわれ、中世には方位磁針として活用されました。20世紀に入ってからは人工的な永久磁石が作られるようになります。実は永久磁石の発明から現在の最強磁石の開発まで、日本人が多大な貢献をしています。

現在生産されている磁石のうち、普段目にするものを何種類か紹介しましょう。

  • フェライト磁石…黒板などに付ける黒い磁石です。主成分は鉄の酸化物です。
    磁力はあまり強くありませんが、安価でたくさん使われています。
  • ネオジム磁石見た目は銀色です。元は黒い粉末を固めたものですが、さびやすいのでNiめっきをしています。
    大きいものだと人力では外せないくらい超強力です。
    希土類元素(レアアース)を使うので高価でしたが、最近は100円ショップでも見られるようになってきました。
  • ボンド磁石ゴム磁石、プラスチック磁石とも呼ばれています。
    上述の磁石などの粉末を有機材料に混ぜて成型したものです。
    磁石以外の成分を混ぜるので、磁力は弱いです。

磁石の歴史を調べてみると、さまざまな磁石の種類や日本人研究者の活躍が分かりますので、ぜひ調べてみてください。

磁石は目に見えないところにもたくさん埋め込まれており、電子機器や省エネ技術とも密接に関わっています。次回以降、それらについて順次紹介します。

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図 左からフェライト磁石、ネオジム磁石、ボンド磁石

【出典】株式会社マグファインウェブサイト

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