〔LinQ原直子さんが語る〕第2回-観測バルーンを飛ばして大気の調査-

原さんは小さいころから「もっと知りたい、もっと知りたい」と考える理系女子。進学した理学部地球圏科学科では、幅広い分野の講義や実験が、原さんの好奇心をしっかり受け止めたようでした。

「地層調査のフィールドワークが思い出に残っています。船で能古島へ行き、石をスケッチして"これは何岩?"とか」。青空の下、知らないことを一つ一つ解き明かしていく原さんのまぶしい姿が目に浮かびます。

地球圏科学科は、3年次進級時に専攻分野を選ぶシステム。原さんは入学当初、生物学か地球科学の分野に進もうと考えていましたが、選んだのは大気の運動や大気中の物質を調べる地球物理学の分野でした。

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「1年次で初めて学ぶ物理には大苦戦でした。『振り子の運動式を積分で解く』とか。先生のところによく質問に行きましたね。そのたびに丁寧に解説していただきました。そんなことを繰り返しているうちに、いつしか物理が好きになっていたんです」。「数学については、高校時代は"こんな計算、何の役に立つのだろう"と思っていました。が、気付いたんです、ある時。"そうか、ここで要るのか"と」。原さんは基礎から広く学ぶことの意味に気付いた瞬間を懐かしそうに振り返ります。

福岡大学には、西日本の大学には数少ない最先端の実験装置や大規模な設備がたくさんあります。それらを使って学べる利点が福岡大学にはあります。「私のゼミでは、観測装置をバルーンに乗せて、理学部の講義棟の屋上から飛ばしていました。エアロゾルの調査です。大気中の微粒子のことですね。その分布状況や濃さを調べてデータ化するんです。へぇ、福岡市の上空は今こうなっているんだ、とかね」。専門用語を立て続けに話し、身振り手振りで大気の解説をする原さん。その姿は、ステージでパフォーマンスをする原さん同様にキラキラ光って見えました。

原さんの好奇心に目いっぱい応えたのは、講義や実験だけではありません。そのお話は次回。お楽しみに。

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