今回紹介する学生は、大学院工学研究科(機械工学専攻)博士課程前期2年次生の島上智士さんです。島上さんは現在、機械力学制御研究室(岩村誠人教授)において、自動車設計に役立つ新しいモデル作りに取り組んでいます。
就職先も決まり、研究に集中する日々を送る島上さんに、学生生活について話を聞きました。
■学部生時代を振り返って
幼い頃から「ものづくり」に興味があり、図画工作が大好きだったと話す島上さん。高校生の時には「将来は機械メーカーで開発に携わりたい」という明確な目標を持ち、大学は迷わず機械工学科へ。予想以上に理論の授業も多くあったそうだが、「社会人の方に現場の話を聞くと、大学で学ぶ内容が仕事をする上での基礎となると言われます。社会に出てからその大切さを実感すると思う」とのこと。大学院への進学を決めたきっかけを尋ねると、「技術職に就くなら大学院進学だと思いましたが、3年次になると周りが就職活動を意識しはじめ、自分は就職と大学院進学のどちらを選ぶかとても悩みました。答えをなかなか出せずにいた頃、企業で働く福大OBと話す機会があり、岩村先生が研究する『マルチボディダイナミクス理論』が機械メーカー等でデータ解析に使われている最先端の研究だと知って、先生の研究室で専門性を高めたいという思いが強くなっていきました」。
■研究室で取り組むテーマは「自動車乗員身体制御モデルの構築」
島上さんが取り組んでいるテーマは「自動車乗員身体制御モデルの構築」。現代社会にはさまざまなタイプの車があるが、そのどれもが“車の動き”を前提とした設計になっているそうだ。そこで、“人の動き”も考慮した自動車の開発に必要な、新しいモデルを作りたいと考えている。「車1台に2人乗れば、100kg近くの重量が増える。また乗っている人は静止しているわけではなく、車の動きによって身体が傾く。そうした“人の動き”が“車の動き”にどのような影響を及ぼすのか、実験を繰り返してデータを集め、解析している。これまでになかった新たなモデルを作ることができたら」と話し、1日10時間は研究室で過ごす毎日を送っている。
■今後の目標と高校生へのメッセージ
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