〔研究者コラム〕―「治験と臨床研究(最終回)」治験の現状―

全5回シリーズで「治験と臨床研究」と題したコラムを紹介してきましたが、今回が最終回となります。コラムを担当するのは福岡大学病院臨床研究支援センター長の野田慶太教授です。

野田教授のプロフィルや研究情報はこちらをご覧ください。

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福岡大学病院(以下、当院)は、治験の支援のため2001年に臨床研究支援センター(以下、センター)を設置しました。治験においては国の規制の遵守、倫理性および患者さんの安全性確保のため、インフォームド・コンセントの取得、副作用調査、種々の検査、治験スケジュールの説明、治験薬の準備など病院において特別な業務が多数発生します。そのため、患者さんへのスムーズな対応と治験を行う医師の業務補助のために治験に精通したスペシャリスが必要です。このスペシャリストをCRC(clinical research coordinator:治験コーディネーター)といい、センターに所属しています。

わが国における治験の問題点は、「ドラッグラグ」です。これは、欧米と比較して日本では新薬が使用できるまでの時間が長いということで、3年以上も新薬の発売が遅れます。その原因の一つが、治験に同意していただける方が少なく、治験がなかなか進まない事だと指摘されています。

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当院は、2007年に厚生労働省より治験活性化5カ年計画の拠点病院に指定され、治験の活性化を進めてきました。この事業の一つとして、治験の啓発活動があり、市民医学講座を毎年開催しています。また、現在、当院で行われている治験への参加者も募集しています。興味のある方は、臨床研究支援センターのウェブサイトをご覧ください。

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