〔研究者コラム〕ー「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?(第4回)」トクホマークは一つじゃないー

全5回シリーズで「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?」と題したコラムを紹介しています。コラムを担当するのは松末公彦准教授(薬学部)です。

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現在、トクホにはいくつかの種類があります。

効果の弱い条件付きトクホ

トクホマークを見つければ、トクホを他の健康食品と区別することができます。しかし、このトクホマークには2種類あることをご存じでしょうか。下左図は通常のトクホのマーク、そして下右図は「条件付きトクホ」のマークです。

条件付きトクホとは、「現行の特定保健用食品(トクホ)の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を条件付きで特定保健用食品として許可する」というものです。簡単に言うと効果の弱いトクホです。効果の弱いトクホなので、通常のトクホとは異なり「根拠は必ずしも確立されていないが、△△に適していることが示唆されている食品」と記載することが義務付けられています。現状では、この条件付きトクホに認定されている商品は一つしかないため、われわれがこの条件付きトクホマークを目にする機会はめったにありません。

病気のリスクを低減するトクホ

条件付きトクホに加え、「疾病リスク低減表示トクホ」なるものも存在します。このトクホは、健康に対する効能の表記が通常のトクホと異なります。通常のトクホに書かれている健康に対する効能は、「血圧が高めの方の食品」や「コレステロールが高めの方の食品」など遠回しな表現が使用されていますが、疾病リスク低減表示が許可されたトクホは、「日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減するかもしれません。」のように記述されています。すなわちこのトクホは、表記の中に具体的な病名(骨粗鬆症)が既述されており、その病気に有効性があることを表記できるのです。特定の病気に効くといった表記は、一般食品はもちろんのこと通常のトクホも許可されていません。

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