〔学生取材コラム〕東日本災害ボランティア取材―「東北の人は下を見ていない。前を見ている」―

福岡大学では、2011年から毎年東日本災害ボランティア「福岡大学派遣隊」を組織し、現地での活動に取り組んでいます。2013年は、「第3次福 岡大学派遣隊」として30人(学生26人、教職員4人)が8月26日(月)から30日(金)に宮城県(仙台市、気仙沼市、南三陸町)で活動を行いました。

学生広報サポーター(登録者)3人が、全体リーダーを務めた前田光太郎さん(法学部法律学科3年次生)を取材しました。全3回にわたって紹介するシリーズの第2回を紹介します。

20131226-2.jpg
20131226-3.jpg
20131226-1.jpg

00_line-top.gif


■ 第2回 「東北の人は下を見ていない。前を見ている」 ■

今回、学生広報サポーターは東日本大震災のボランティア活動を行った学生に焦点を当て取材を行った。

「自分自身の目で見て確かめたかった。」東日本災害ボランティア「第3次福岡大学派遣隊」のリーダー前田光太郎さん(法学部法律学科3年次生)は当時の決意を語る。2012年に行われた「第2次派遣隊」のメンバーとしても参加し、今回で2回目の震災ボランティア。彼がボランティアに参加したのは父の影響だ。彼の父は3.11の震災後、被害を受けた現地で働いていた。数日後、帰宅した父から現地の実状、リアルな話を聞いた。衝撃を受けた。「かつてない規模の大災害。メディアの情報だけではなく、自分自身の目で見なければ」そう思い、福岡大学東日本大震災ボランティアへの参加を決意した。

彼は「第3次派遣隊」では、現地で体力系の除草作業などのボランティアを行った。実際に現地で作業してみて、「復興はまだ進んでいない」と身をもって実感した。

現地でボランティアをしていく中で、同じ年代の学生と交流する機会があった。現地の学生が行うワークショップだ。これに参加した彼は現地の学生の「地元の人のために復興を頑張りたい」という思いに胸を打たれた。また、現地の学生から「東北の現状を知って、あなたの地元の人に広めてほしい。そして我々が地元・東北を思うように、あなたも地元・福岡のことを考えてほしい」そう言われた。その後、ボランティアから帰った彼は現地の学生から言われたことを実行に移す。学内で新たに立ち上げたボランティアサークルに参加した。大学周辺の清掃活動など、地元のことを考える活動を行った。現地で「感じたこと」「言われたこと」それが実行に移った瞬間だった。

彼は現地でのボランティア経験を振り返る。「やはり、自分の目で確かめないと分からないとあらためて思った。そして、現地の実情をもっと知ってほしい。少しでも耳を傾けてほしい」そう語った。

復旧がようやく復興に変わった。今後、何年かかるか分からない復興。それでも現地の人は前を見ている。少しでも早く、彼らにとって幸せな日々が来ることを願う。

01_line-under.gif

  • 東日本災害ボランティア取材(第1回)「ボランティア活動がもたらした変化」はこちら
  • 東日本大震災に対する本学の対応はこちら