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〔研究者コラム〕「さまざまな民主主義のあり方~選挙から考える~(第1回)」―イギリス、フランスの選挙―

2017.08.03

2016年・2017年にかけて欧州・アメリカ等の主要国で首脳を選ぶ選挙が行われています。今回のコラムでは、欧州3カ国とアメリカの選挙制度について、過去に在オーストリア日本国大使館経済班専門調査員を務めたこともある福岡大学法学部・東原正明准教授(専門:政治学)が、「さまざまな民主主義のあり方~選挙から考える~」をテーマに全5回にわたってお伝えします。

●東原准教授の詳細プロフィルはこちら

<今後の更新予定>
第3回:アメリカ大統領選挙
第4回:米独仏の大統領制の違い
第5回:ポピュリズムの時代なのか
 

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今年(2017年)は、イギリスとフランスで総選挙が実施されました。イギリスでは、EU離脱を決めた昨年の国民投票後初の下院議員選挙として、5年の任期から選挙時期を前倒しして行われました。フランスでは極右政党の候補が決選投票に進んだ春の大統領選挙に続く、重要な国政選挙として実施されました。どちらも、今後の両国の国政の行方を占うものとして注目を集めました。

両国では、一つの選挙区から一人の議員を選ぶ小選挙区制が採用されていますが、その制度は大きく異なります。

イギリスの下院議員選挙では「小選挙区一回投票制(小選挙区単純多数制)」の下、各選挙区で1位になった候補が当選します。定数は650です。この小選挙区一回投票制は、各選挙区でとにかく1位になりさえすれば当選することから、落選者に投じられた議席に結びつかない票=死票が多く出るという欠点を持っています。

これに対して、フランス下院(国民議会)の選挙制度は、「小選挙区二回投票制」あるいは「小選挙区絶対多数制」と呼ばれるものです。候補者が第一回投票で当選するためには、有効投票数の過半数が必要となります。第一回投票で当選者がいなかった場合は、第一回投票で有効投票の12.5%を獲得した候補者か、該当者がいなければ上位2人による決選投票が行われます。任期は5年で定数は577です。

次回は2017年9月に実施予定のドイツの選挙についてお伝えします。

  <参考文献>
    ・池谷知明、河崎健、加藤秀治郎編著『新西欧比較政治』(一藝社、2015年)
    ・田口富久治、中谷義和編『比較政治制度論(第3版)』(法律文化社、2006年)
    ・馬場康雄、平嶋健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック(第2版)』(東京大学出版会、2010年)

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  <東原准教授の著作>
    ・「オーストリア ―協調民主主義体制の発展と変容―」(津田由美子、吉武信彦編著『世界政治叢書3 北欧・南欧・ベネルクス』ミネルヴァ書房、2011年) 
    ・「オーストリアの脱原発史」(若尾祐司、本田宏編『反核から脱原発へ ドイツとヨーロッパ諸国の選択』昭和堂、2012年) 
    ・「中央集権的な連邦制下の分権的政党 ―オーストリアにおける連邦制と州政治の変容―」(松尾秀哉、近藤康史、溝口修平、柳原克行編『連邦制の逆説? 効果的な統治制度か』ナカニシヤ出版、2016年) 

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