福岡大学理学部白石助教らの論文が日本気象学会の「The SOLA Award in 2021」を受賞

北極成層圏バックグラウンド・エアロゾルの季節変化を初めて明らかにする

成層圏は地上から10~50kmの高さの空気の層のことを示し、エアロゾルは空気中に漂う微細な粒子のことを指します。成層圏エアロゾルは、大気中の放射および化学プロセスにおいて重要な役割を果たし、地球の気候に影響を与えます。

福岡大学理学部地球圏科学科の白石浩一の研究グループでは、1994年からノルウェーのスバルバール諸島ニーオルスンでライダーという装置を用いた北極大気エアロゾルの観測を実施してきました。ニーオルスンは、北極圏内の高緯度に位置する場所にあります。2014年から、昼夜連続観測できるように装置を改良し、成層圏エアロゾルの昼夜連続観測を4年間実施しました。それらの観測データを用いて、高緯度北極圏の成層圏におけるバックグラウンド・エアロゾルの季節変化を初めて明らかにしました。

この研究成果は、2021年2月1日付で日本気象学会が発行する欧文短報論文誌『SOLA』に掲載され、この度、本研究の重要性を高く評価され、「The SOLA Award in 2021」を受賞しました(2022年2月7日受賞)。

今後は装置をさらに改良し、観測を継続する予定です。近年、大規模な森林火災や火山噴火により、成層圏へのそれらの微粒子が流入したという報告などがありますが、それらの北極成層圏への影響等も、観測を行うことで評価できることが期待されます。

  • 【お問い合わせ先】
    福岡大学理学部地球圏科学科 助教 白石 浩一
    Email:siraisi★fukuoka-u.ac.jp
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