角竜類恐竜に関する日本初の論文が学会英文誌に掲載

4月1日(火)、角竜類恐竜に関する日本初の学術論文が、日本古生物学会の英文誌『Paleontological Research』の最新号に掲載されました。これは、本学理学部地球圏科学科の田上響助教と北九州市立いのちのたび博物館・前脊椎動物化石担当学芸員の岡崎美彦博士により研究・執筆されたものです。

角竜類恐竜とは、植物食恐竜の一分類群であり、大きな角と後頭部に発達したフリルで知られるトリケラトプスが代表格ですが、その祖先は小型で角を持っていませんでした。

1991年に北九州市小倉南区の白亜紀前期の地層(約1億3000万年前の関門層群)から歯化石が発見されました。これは、ヒプシロフォドン類、イグアノドン類などが含まれる二足あるいは四足併用の歩行をする植物食の鳥脚類恐竜のものとして、1994年の発掘調査報告書に初めて掲載されました。しかし、田上助教らが再検討した結果、この標本が植物食恐竜の角竜類のものであるという見解を得ました。また、この角竜は角の発達しない原始的(基盤的)な新角竜類であることも明らかになりました。

1991年に九州で初めて発見されたこの歯化石、2009年に兵庫県篠山市そして2013年に鹿児島県薩摩川内市より報告された角竜化石と合わせ、白亜紀にアジア大陸の東端であった日本における角竜類の多様性が、予想以上に高かったことを示唆しています。

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研究標本に見られる新角竜類の特徴
(北九州市立いのちのたび博物館所蔵)