福岡大学創立75周年記念事業の一環として、ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」/科学フォーラム福岡「科学する心、創造する力−21世紀を拓く若者へ」を、10月3日(土)午後1時から本学831教室において開催し、高校生や大学生、一般市民など約800人の参加がありました。
フォーラムに先立ち、本学の衛藤卓也学長から「福岡大学創立75周年記念事業として本フォーラムを開催できることは望外の喜びであり、若者に未来への希望と行動指針を与えていただきたい」との歓迎の挨拶がありました。
続いて、利根川 進氏(米マサチューセッツ工科大学教授、1987年ノーベル生理学・医学賞受賞)と益川 敏英氏(京都産業大学教授、2008年ノーベル物理学賞受賞)の基調講演がありました。益川氏はテーマに掲げる「創造する力」に触れ、「自然の法則を解明すること。解明するためには今、何をしなければいけないかを知ること。成功したところだけを残し抽象化すると、いろいろなことが見えてくる」、利根川氏は「好きなこと、あこがれを持つことが成長につながる」と、それぞれの体験談を交えながら創造的な思考や研究を実現するまでのあゆみについて語られました。
その後、休憩を挟み、両氏と本学の瓦林達比古副学長をパネリストに、新井紀子氏(国立情報学研究所教授)をコーディネーターに、パネル・ディスカッションが行われました。益川氏は「あこがれや好きなことに対しては、自ずと努力していける」「目標は高く設定し、実行するときには下から着実に積み上げることが大事。難しいからといって目標を下げてはいけない」、利根川氏は「一生をかけてやりたいと思うことを見つけだすことが重要」「本当に好きなことを見つければ自然と努力するし、その努力は苦にならない」、また、瓦林副学長は「若者はいろいろな人とのコミュニケーションを大切にして、その中から多くのことを学んでほしい」「私たちは教育・研究活動を通じて、若者に一生をかけてやりたいと思うことを見出す機会を多く提供していくように努めたい」と述べられました。
最後に、会場から質問もあり、本学人文学部4年生の落合亜美さんの「学生時代に戻れるなら何をしたいか」との質問に、益川氏は「生き物はどうして意識を持つのか、そのメカニズムを研究したい」、利根川氏は「家をデザインすることが好きなので、建築を学び、建築家になりたい」とこたえられました。