働くことの意識や仕事への価値観。
それは、人により、時代により、さまざまです。
先輩たちは、何を基準に自分の職業を選んだのでしょうか。
卒業生と内定者、各々5人の皆さんに、
今の道に進んだ背景を聞きました。

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内定先:GAMAKATSU PTE LTD.(総合職)

栗林 宗生さん

(経済学部経済学科 4年次生)

釣りの素晴らしさを
もっと多くの人に知ってほしい

小学生の時、父に誘われて釣りデビュー。苦労して釣った感動を覚えてからこれまで続けてきて、自然と「釣り業界で働いてみたい」と考えるようになりました。このまま突き進んでいいか悩んでいた3年次の終わり頃、父の「自分がやりたいことをしなさい」という言葉が背中を押してくれました。

同じ頃、年に数回ある釣りメーカーによる展示会「フィッシングショー」で、釣り用品の製造・販売会社であるGAMAKATSU PTE LTD.の社員の方と話す機会を得ました。私が「釣りが好きで、釣り業界に就職したい」と率直に話したところ、返ってきたのは意外な言葉でした。

「好きなだけなら漁師になるべき。自分たちはどうしたら売れるかを考えて商品を作っている」。

その時まで自分の中になかった考えで、衝撃を受けました。そこから真剣に、自分はこの業界で活躍できるだろうかと考え始めました。改めて本心を見つめ直し行き着いたのは、「初心者や女性、子どもにも扱いやすい竿を作ってみたい」「もっと多くの人に釣りの素晴らしさを知ってほしい」という思いでした。自分がやりたいことが具体的に見えてきたことで、自信を持って採用試験に臨むことができました。

就職・進路支援センターには何度も通い、魚の絵などを織り交ぜたエントリーシートを作り上げました。面接試験では等身大の自分で臨み、業界の今後にかける思いを素直に伝えられたことが、良い結果につながったのだと思います。

好きなことを仕事にしたい人は、自分の「好き」を貫くことが大事だと思います。その上で、経験を糧に「こうしたいんだ」という熱意をロジカルに説明できれば、きっと道は開けると信じています。

内定先:株式会社日伝(営業事務職)

小田 凪さん

(人文学部フランス語学科 4年次生)

心惹かれた一社に的を絞り、
誰よりも多くの質問でアピール

目標を決めて細かい作業をこなしていくことに喜びを感じる性格で、事務職を希望していました。また、仕事内容は合っていても環境が合わずに続けていくことが困難になった例を身近に見ていたので、会社を選ぶ際には「共に働く人」を重視しようと決め、さまざまな業種を検討しました。

運命を決めたのは、3年次の12月に学内で開催された「業界研究セミナー」。株式会社日伝の九州支店長との出会いです。多分野の商品を取り扱う「商社」の業務について教えていただき、仕事を通してさまざまな分野と関われるところに魅力を感じました。

そして何より私の心を捉えたのが、支店長のおおらかな人柄。「この方が束ねる職場なら働きやすそうだ。この人についていきたい」。直感でそう思い、インターンシップに申し込みました。

オフィスはワンフロアで、和気あいあいとした雰囲気。事務職として働く方々の姿も、自分の思い描いていたイメージとピタリと当てはまり、「ここしかない」と思いました。事前にパンフレットやウェブサイトを読み込んで書き出していた疑問点を、時間を見つけては支店長に質問しました。

迷いがなかったので、採用試験を受けたのは一社のみの一発勝負。面接でも精一杯の情熱を伝え、無事、内定を得ることができました。後日、支店長から「誰よりも質問をしてくれた」と評価していただけたので、必死のアピールが実を結んだのだと思います。

現在、内定先でアルバイトとしてサポート業務を行っています。入社後は取引先の事務管理を一任される予定なので責任重大ですが、地道に努力し周りの方に信頼される人になりたいです。

内定先:丸三証券株式会社(営業職)

米原 尚歩さん

(経済学部経済学科 4年次生)

人との出会いを楽しむことで
就職活動が前向きに

高校生の時に参加したオープンキャンパスで、大企業を中心にどう金融が動いているかという模擬授業を受けて非常に興味深い分野だと感じ、本学部に進学を決めました。学べば学ぶほどニュースが理解できるようになり、経済の面白さを知りました。

就職活動では、企業の説明会などに参加する中で、社員の方や集まっている学生も含めた全体の雰囲気を見て、「この人たちと働きたいか」という視点でアンテナを張っていたように思います。丸三証券株式会社との出合いは、3年次の3月に学内で開催された合同企業説明会でした。社員の方が、楽しそうに自社のことを説明する姿が印象的でした。

私はそれまで営業には向かないと思い込み事務職を希望していたのですが、募集は営業職のみ。それでもその企業に魅力を感じて採用試験を受けることに。支店長や営業職の方と面接を重ね、さまざまなエピソードを通してお客さまと良い関係を築いている様子を知り、徐々に営業職への不安は薄れていきました。選考中、何度も支店を訪れるうちに現場の空気感や、働く方々の人柄も大好きになりました。営業スタイルはお客さまの要望を第一に考えて提案していて、それは、提案を受ける側に立っても、安心できそうなものでした。私も仕事を通して、お客さまと強い信頼関係を築けるようになりたいと思いました。

就職活動中は不安なことも多くありましたが、前向きな友人に会ってモチベーションを取り戻し、面接に臨む際には緊張を「どんな人に会えるだろう」という期待に変えて前向きに楽しむようにと心掛けました。入社後は先輩方を見習って目の前のお客さまと真摯(しんし)に向き合い、「米原さんだから話したい」と言ってもらえるような営業パーソンになりたいです。

内定先:株式会社NTTドコモ(技術職)

稲田 彩伽さん

(工学部電子情報工学科 4年次生)

資格取得が決め手となり、
目指す技術者の道に近づいた

高校生の時、華やかさに憧れてテレビ局に就職したいと思っていました。競争率の高いテレビ局ですが技術職なら入りやすいと考え、電子情報工学科に進学しました。本学科では、卒業すると無線の国家資格である「第一級陸上無線技術士」の一部受験科目が免除されるのですが、就職活動に向けて強いアピールポイントにしたいと猛勉強。卒業を待たずに受験し自力で資格を取得しました。

大学でせっかく身に付けた知識を最大限に生かすなら目指すべき業界は「通信系」だと、3年次後期には無線をテーマとする研究室で勉強をしました。

3年次の3月、学内の合同企業説明会に参加し、通信技術で企業の課題を解決する仕事の存在を知りました。「新しいものを新しい技術で生み出し、世の中に貢献したい」。目指す将来像が見えました。そこからICT(情報通信技術)が特色の企業に注目。中でも株式会社NTTドコモの、技術進歩で作る未来を提案した映像を見た時は胸が高鳴り、無線とICT双方の事業を行っている点にも引かれ、第一志望としました。

就職活動中は、就職・進路支援センターに朝から夕方まで通い詰めてエントリーシートを練り上げ、研究室に頻繁(ひんぱん)に通っては先生から多くの知識を吸収したので、面接での専門的な質問にも、戸惑わずに答えることができました。大学生で「第一級陸上無線技術士」の資格を持っていたことも非常に珍しいと驚かれたので、内定の大きな決め手になったと思います。

入社後は、技術職として基盤となるさまざまな部門で経験を積み、いつでも、どこでもだれとでもつながる“あたりまえ„をつくることができるネットワークデザイナーになりたいです。

内定先:三菱電機株式会社(技術職)

吉見 雄太さん

(工学部機械工学科 4年次生)

自分の心に素直に従い
行動に移した

「自分で経験したことだけが信じられる」という思いが人一倍強い私は、インターンシップに参加したり、1カ月の語学留学へ行ったりするなど、やりたいと思えばいつも気持ちに正直に行動してきました。接客業のアルバイトを通して人と関わり合うことの充実感も知り、就職活動では技術職と営業職双方を視野に、また日本全国、海外でも働ける可能性を広げたいという思いから大手メーカーを志望していました。

3年次の2月、三菱電機株式会社の技術系インターンシップに参加した時のことです。自分以外の参加者のほとんどが大学院生でした。彼らは多くの研究をこなし、学会の参加経験も豊富で、学部生の自分との差を痛感しました。技術系の採用面接では研究内容を説明する場面があるのですが、私には研究の経験もまだありません。

「このままではきっと受からない」と思い、通常は4年次から始まるところ、私は3年次の春休みから研究に向けての勉強を開始。授業でエアコンの仕組みに興味を持っていたので「熱力学」をテーマにし、そこから2カ月間は毎日のように高尾幸来先生、本田知宏先生の研究室に通い指導していただきました。面接では質問にうまく答えられない部分も多くありましたが、何より「行動した」という自信が力になり、その思いも伝わったと思います。面接の受け答えの中では、実際に自分が学んだこと、経験したことが節々に出るので、日頃どのように学生生活を過ごすかが大切だと感じました。

入社後は、設計開発部門に配属される予定です。他部署との連携も大切にし、さまざまな人たちと積極的に関わり合いながら製品を作り上げ、仕事の中でやりがいを感じていきたいと思っています。

進路に関する個別相談から情報・資料提供まで幅広く対応しています。一歩踏み出して、センターに赴き、いろいろなアドバイスや情報を得てください。センターでサポートしている主に4つのポイントを紹介します。

個別指導

センター職員のほか、進路相談員や就職アドバイザー、キャリアカウンセラーなどが、進路に関するあらゆる相談に個別に応じています。

情報提供

就職試験関連の豊富な資料がそろうほか、先輩たちが残した報告書や体験記には、多くのヒントが詰まっています。Twitterなどでも最新情報を提供しています。
・Twitterアカウント▶︎@fu_career

豊富なインターンシップ(就業体験)の実績

2016年度は夏季と秋季で合計545人の学生が参加しました。また、海外インターンシップでは、これまで118人を派遣。2016年度より、企業や自治体と連携した課題解決(PBL)型プログラムを実施しており、1・2年次からの参加も募っています。

学生アドバイザーによるアドバイス

企業などに内定した4年次生が30人ほど登録、自らの体験をもとに後輩にアドバイスを行っています。

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福岡大学学園通信 No.59
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