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校友会の発足

福岡大学の前身校である「福岡高等商業学校」が1934年4月に創立されてすぐの6月18日に校友会(クラブ活動)が発足。総務・柔道・剣道・弓道・野球・庭球・競技・水泳・排球・籠球・ラグビーの11部が創部されました。1年次生しか在籍していないため各部とも部員の奪い合いとなり、多くの部員が掛け持ち状態でした。7月には六高専リーグ(福高・九州医専・九州歯科医専・西南・明専・福岡高商)が始まり、各部とも参加しますが、練習不足は明らかで結果は惨敗。しかし、この若干無謀とも言える挑戦を通じて、生徒間の友情が一気に深まり、結束が固まります。教員たちも急速に生徒たちと交わり、「自分たちの学園づくり」への機運が高まっていきました。現在の福岡大学のスポーツの強さと絆、結束の精神の源がそこに見えます。

水泳部(1940年)
水泳部(1940年)

特攻隊員の遺書に記された
「七隈の学園」への想い

第二次世界大戦時には九州経済専門学校(福岡大学の前身校)からも多くの生徒が戦地に赴きました。8回生の安部静彦さんもその一人。1945年4月12日に鹿児島県の知覧飛行場から特攻機で飛び立ち、沖縄に進攻する米艦隊に突入して戦死しました。その直前、友人に充てた遺書には、「恋…何という魅力ある言葉だ。私はこの言葉を口にする時、何かしら心のときめきを感ずる。しかし悲しいかな、私は恋を知らない。(中略)こんな遺書を残して、私は新しい世界に入って行こうとする。再び七隈の学園に戻って、書物をひもとくことは永久にないだろう…」と記した後、学園生活の思い出が連綿と綴(つづ)られていたそうです。青春が中断されたことへの無念の中に、にじみ出る母校への愛着…。現在の自由で豊かな学生生活は、こうした先人たちの尊い想いの上に成り立っています。

九州経済専門学校の校庭(1944年頃)
九州経済専門学校の校庭(1944年頃)

在学生が大学昇格に向けて奔走
「戦災図書復旧運動」

1945年6月の福岡大空襲では九州経済専門学校も戦火に遭い、約8,000冊の本が図書館の建物もろとも焼き払われました。終戦後の1946年、新たな教育制度により、4年制大学に昇格するか廃校になるかの選択を迫られます。大学に昇格するための条件の一つは「図書1万冊」。これを機に生徒たちが立ち上がり、スタートしたのが「戦災図書復旧運動」でした。
この運動では、当時の在校生のほぼ全員に当たる約600人が演劇や演奏会、バザーを行ったり、家庭教師や土木作業に従事したりして資金集めに奔走しました。卒業生からの支援もあり、当時の金額にして35万円を集め、それで図書7,500冊を購入し、1949年に福岡商科大学として新制大学に昇格(※)。生徒たちの母校愛によって、4年制大学としての歩みをスタートさせることができました。※焼失を免れた図書と統合校が所蔵する図書も含む。

新図書館の閲覧室(1950年頃)
新図書館の閲覧室(1950年頃)

「ワス!」の掛け声

1948年当時、福岡経済専門学校(福岡大学の前身校)の校内では、挨拶の言葉として「ワス!」の掛け声が交わされていました。これは「相和(あいわ)す」の「和す」を取ったもので、学校の誇りである「和」と「団結」を示すものとされました。帽子を取ることも、丁寧なおじぎも必要なく、顔を合わせたら「ワス!」と声を掛け合うことで生徒たちはお互いに絆を深めていきました。入学当初はこの掛け声に面食らう新入生たちも、やがて「ワス!」の掛け声とともに、生徒の一員としての自覚に目覚めていったようです。
ここにもまた、福岡大学関係者の絆の深さに通じる起源が感じられます。

校庭に集う生徒たち(1950年頃)
校庭に集う生徒たち(1950年頃)
学生委員会(1951年)
学生委員会(1951年)

応援団が復活

各運動部の対外試合の応援や、卒業式・入学式での演武など福岡大学の学生生活や行事に不可欠な存在であった応援団は1999年に部員不足のため活動休止となりました。しかし2012年4月、「高校時代、野球部の応援に団員として参加し感激した体験から、大学で本格的に応援団に入ることを考えていた」という藤田大輝さん(第57代応援団長)が入学。活動休止を知った藤田さんは、復活を目指して立ち上がります。多くの応援団OBと復活を待つ卒業生たちの後押しを受けて13年ぶりに部は復活。団員1人で活動を再開した応援団は徐々に部員も増え、藤田さんが4年次生になった時には20人になっていました。
試合会場や入学式などで響き渡る応援団のエールは、在学生たちを勇気づける大きな支えとなっています。

卒業式でエールを送る(八納さん)
卒業式でエールを送る(八納さん)

有信会

福岡大学の同窓会組織である有信会は1937年「友信会」として発足。その後、「社団法人有信会」となり、2013年4月1日に「一般社団法人福岡大学同窓会有信会」となりました。
東京から沖縄まで61の地域支部と38の職域支部があり、活発な同窓会活動を行っています。
5月には卒業生を母校に迎える「ホームカミングデー」を大学と共催。奨学金の創設や学術文化講演会の開催をはじめ、多方面から母校を支援しています。また、正門付近にある銀杏並木や本館横のバラ園は有信会からの寄贈によるもので、キャンパスを美しく彩っています。
福岡大学の卒業生には、社会に出ても確固たる居場所の一つとなるこの有信会が常に身近にあります。

有信会 連絡先

〒814-0180
福岡市城南区七隈八丁目19番1号
福岡大学内 ヘリオスプラザ4階

TEL: 092-871-6631(代) 
FAX: 092-863-3668
E-mail:yushin@adm.fukuoka-u.ac.jp 
URL:http://www.yushin.jp/

福岡大学学園通信 No.63
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    (経済学部経済学科 2002年卒業)
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      (医学部看護学科 2015年卒業)
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