
「社会人基礎力育成グランプリ」で
準大賞を受賞
社会人基礎力協議会が主催する「社会人基礎力育成グランプリ」。
竹下友貴さん(法学部経営法学科4年次生)が中心となって「ベンチャー起業論」で商品化を実現したプロジェクトが、その全国大会で見事に準大賞に輝きました。三度目の挑戦で得た大きな勲章に、竹下さんは、「諦めずに挑戦すれば、道は必ず開けることを学びました」と喜びを語ってくれました。

幾度も苦い経験を重ね、念願の商品化を実現
「時間割を組む際、シラバスで『ベンチャー起業論』を知りました。受講後、堂々と発表する先輩たちの姿を見て、『自分もこんなふうになりたい』と思い始め、だんだんと授業に夢中になっていきました」と振り返る竹下さん。ただ1、2年次の成果は芳しいものではありませんでした。特に2年次はデータ分析やアンケート収集などに力を入れた企業への提案が、あっさり却下されるという苦い経験を味わいました。
「このままでは終われない」と、三度目の挑戦を決意。協力企業を求めて経済学部・阿比留先生の協力を得ながら数社に声を掛けますが、門前払いが続きます。唯一話を聞いてくれた博多の洋菓子製造会社・チョコレートショップに「病院などの機能食にも使える大豆を使ったチョコレート」を提案しますが、佐野隆社長からは、世界観が違うと一蹴されます。
このままでは提携先企業が得られず、プロジェクトは中止。竹下さんは、佐野社長に別案を提案させてほしいと依頼、何とかアポイントを取り付けます。「砂糖不使用、ビフィズス菌を使ったチョコレート」の企画を10日間でまとめ、再提案したところ、「この商品なら世界に通用するかも」と興味を引き、採用されました。
商品化に向けては商品名やパッケージの考案、POPの作成等に取り組みました。商品説明書に記載する効果・効能などの表現は国によって異なり、法律で規制されています。そのため、フランスの法律を調べ文言を考えました。その際に「法学部で得た法律の知識を生かすことができたと実感した」、と竹下さんは言います。
こうして完成した新商品は、同社の本店やパリの店舗に並び、パリでの「世界チョコレート出展会(サロン・デュ・ショコラ)」にも出品しました。
新商品「KALON(カロン)」。
古典ギリシャ語で「内面の美しさ」を意味する。商品を初めて手にした時は「涙が溢れてきました」と竹下さん
「世界の食の在り方を変えたい」
この取り組みを発表した「ベンチャー起業論」のコンテストでは、特別賞・最優秀賞・学生賞を受賞。ゼミ・研究室単位で、授業を通じて社会人基礎力の伸びを競う2017年2月の「社会人基礎力育成グランプリ」では九州地区予選を突破し、名だたる大学とともに全国大会に臨み、準大賞を受賞するなど、高く評価されました。
「入学前は漠然と警察官になる、というイメージを描いていましたが、人との出会いや活動を通じて、新たな夢や志を持つことができました」と竹下さん。「日本の食品を通して、世界の食の在り方を変える仕事がしたい」と将来を見据えます。そして今年度も、「子どもにも安心・安全な食品」の企画実現を目指して、新たなプロジェクトに挑みます。
![[竹下さんのキャンパスライフ一問一答]](../assets/img/education/img_education02_ttl.png)
Q.福大法学部を選んだ理由は何ですか?
高校時代は警察官に憧れており、採用試験に向けたサポートが充実していた福岡大学に行きたいと思っていました。
Q.学内でお気に入りの場所はどこですか?
中央図書館です。静かで、雰囲気が落ち着いているので、ゆっくりと過ごすことができます。勉強や読書はもちろんですが、プレゼン用の資料作成でも利用します。空き時間があれば、よく行っています。





法学部経営法学科へ入学
法学部の授業に加えて経済学部の専門教育である、「ベンチャー起業論」を受講。酒造会社のプロモーション企画の立案に取り組むが、コンテストで予選を突破できず。


再び「ベンチャー起業論」を受講
食品メーカーに健康志向のチョコレートの新商品を提案するも不採用。準備に力を入れてきた分、悔しさが残る結果に。




将来は食に携わりたい
三度目の挑戦では、初めてリーダーを務めた。チョコレートの新企画が採用され、商品化を実現。提案に際しての調査や研究を通じて、日本の食の現状を知り、将来は「安心・安全な食品開発」に関わりたいという思いが募る。

