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2022511
医療

【現地レポート③】ウクライナの避難民支援(薬学部・江川孝教授)

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福岡大学薬学部の江川孝教授は、ウクライナから避難した人たちを支援するため、4月中旬から隣国のモルドバ共和国で支援活動を行っています。災害医療・災害薬事を専門とする江川教授は、薬剤師として薬の調剤などの支援にあたっています。

江川教授に現地での様子や活動内容をお話しいただきました。今回は現地レポート第三弾です。


戦禍を逃れて避難してきた人たち

モルドバ共和国内でのウクライナ避難民への医療活動に従事して3週間が経過しました。今日は、ウクライナから戦禍を逃れて避難してきた人たちについてお話ししたいと思います。

私たちが活動をしている診療所は、キシナウ市内のシネマ(映画館)に設置されており、避難所に居住している避難民以外に、キシナウ市内の身内の住居に身を寄せている避難民、ホームステイされている避難民の方に医療を提供しています。

キシナウ市内のホテルやアパートメントは、避難民向けに格安で宿泊できるようモルドバ政府が支援をしています。避難民の多くはウクライナ南部のオデーサやミコライウから避難してきており、男性パートナーや息子(成人)をウクライナ国内に残して避難してきています。そのため、受診される方は、女性や子供、妊婦の割合が多く、一様にストレスに起因する症状を抱えています。

ご主人と息子さんを残して避難されてきたご婦人は、日々ウクライナ国内に残してきた家族が心配で、血圧が高くなったと訴えていました。ある人は、ストレスで眠れない、動悸がするなどの症状を訴えます。高血糖や皮膚症状が悪化したと訴える人もいました。また、ミコライウの防空壕で18日間も避難していたご老人の足は、細菌性の炎症で真っ赤になっていました。

しかしながら、支援をしていて嬉しいこともあります。先日、「お薬を飲んで調子が良くなったよ!戦争が終わったら是非ともキーウに来てね。案内するから」と声を掛けられました。受診される避難民にはそれぞれのストーリーがあり、時間をかけて傾聴し、診療を行っています。引き続き、避難民の方に寄り添った活動を続けたいと思います。
 

診療所にお礼に来てくれた避難民の方と

お薬と一緒にラベンダーの香袋をお渡ししている


今後も、江川教授による現地レポートを、本ウェブサイトを通じて発信していきます。

活動の様子が、ピースウィンズ・ジャパン公式ウェブサイトに掲載されています。こちらもぜひご覧ください。


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