入選作品

458校の12,135人から応募がありました。
厳正なる選考(選者は、氏名や学校名等を伏せ作品のみで評価)の結果、大賞〔福岡大学長賞〕、優秀賞〔2作品〕、特別賞〔全日本川柳協会賞〕、特別賞〔西日本新聞社賞〕、特別賞〔NHK福岡放送局長賞〕、特別賞〔紀伊國屋書店賞〕、特別賞〔日本旅行賞〕、特別賞〔カーボンニュートラル賞〕、特別賞〔福大生が選ぶ賞〕、入賞(30作品)、学校賞(2校)を選出しました。

受賞者氏名は敬称略

大賞 メダル

大賞〔福岡大学長賞〕

ありがとうと伝えられずに「ほっといて!」

大阪府 大阪信愛学院高等学校 1年
村上 薙羽

作品評価(評:福岡大学長・永田 潔文)

子どもの時の様に甘えたい。でも大人になるために自立しないといけない。大人になる前のそんな年頃には、思っていることと反対の言葉や態度を出してしまうことがある。それを後悔している自分がいる。その後悔は自立と成長を促し、やがて親や周りの人にも優しくなれる日がそう遠くなくやってくることを予感させる句である。

受賞者コメント

このたびは大賞を頂き、大変嬉しく思います。
高校生になって、将来のことを考える機会が多くなり、親と意見が合わずに葛藤することも少なくないと感じるのは私だけではないと思います。しかし、普段から生活を支えてくれたり、時には自分と真剣に向き合ってくれたり、親に対する感謝は非常に大きいと思います。
感謝の気持ちを伝えられないまま、不本意なことを言ってしまう、そんな複雑な心境を読んだ句です。

受賞者氏名は敬称略

優秀賞 メダル

優秀賞

その笑顔AIには無い愛がある

岩手県 岩手県立大槌高等学校 1年
小岩 波月

作品評価(評:福岡大学長・永田 潔文)

人の脳でしか判断できないと思われていたことも、日に日にAIに取って代わられるようになった。近い将来、人間がやってきたことは全てAIに取って代わられるのではないかと不安になる。いやいや、今のところ将来も、AIは愛だけは獲得できないであろう。だから愛や愛からあふれ出る笑顔は人間であることの証である。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思います。
今はAIの技術が発達し、人ができることはAIもできてしまう時代になっています。しかし人には愛があり、それをAIがまねしたりつくり出すことはできないと感じています。
特に、笑顔には人の愛がたくさん込められていると感じていて、誰かが笑ったとき自分も頑張ろうと勇気をもらえたり、幸せな気分になったりと今後AIが普及して行っても愛が人をつくっていくことは変わらないという思いを込めてこの句を作りました。「AI」と「愛」、読み方は同じでもつくり出すものは違うことを表しました。

受賞者氏名は敬称略

優秀賞 メダル

優秀賞

犬猿の祖父祖母笑う病室で

福岡県 福岡市立福岡西陵高等学校 3年
山本 瑠那

作品評価(評:福岡大学長・永田 潔文)

いつも喧嘩ばかりしている祖父母にも、長く連れ添った夫婦にしか分からない人生がある。本当は深刻な病室かもしれないが、2人にとっては楽しかったことだけが思い出されるのでしょう。病気のお見舞いに来た孫が、そんな祖父母を温かく見守りながらも、ちょっと幸せになっている気持ちが表れている。

受賞者コメント

このたびは素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思います。
この句は、祖父が入院し初めて祖母がお見舞いに来た際に、普段喧嘩ばかりしている2人がたわいのない話で笑い合っている光景を回想して作りました。普段見せることのない素直な気持ちで語り合う大切さ、家族というかけがえのない存在、そして温かさを多くの人が日常の中で感じることができたらいいなと思います。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔全日本川柳協会賞〕

特別賞〔全日本川柳協会賞〕

寝たふりの私の頭撫でる母

福岡県 福岡県立伝習館高等学校 1年
德永 玲七

作品評価(評:全日本川柳協会 常任幹事 梅崎 流青)

子を思う母のしぐさをこのように表現できるとは。歳月は、子どもをここまで成長させるが、同時に頭を撫でてくれる母親のその手のシワも刻む。幼い頃、風邪の日の体温計は母の額。そして今、母と子を去来するものいくつ。寝たふりの薄目を開けて母を見る。髪の毛に白いもの2、3本。やっぱり心配はかけられないな。アレ、ひょっとしたら「寝たふり」を知っていたのか母は。

受賞者コメント

このたびは、このような輝かしい賞を頂戴し大変光栄に思います。
寝ている私の頭をいつも撫でてくれる母。それを知っている私はわざと寝たふりをして母を待っていました。すると肩まで布団を掛け、私の頭を撫でてくれた母の愛情に焦点を当てた作品です。その愛情全部伝わってるよとは気恥ずかしくて伝えられないのですが、川柳という形で私の想いを表現することができ、とてもいい機会になりました。お母さんいつもありがとう。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔西日本新聞社賞〕

特別賞〔西日本新聞社賞〕

授業なら戦争すぐに終わるのに

東京都 白百合学園高等学校 2年
西川 まい

作品評価(評:西日本新聞社 編集局報道センター総合デスク 坂本 信博)

日本は2025年で戦後80年を迎えますが、世界では今も戦禍が続いています。戦争は一度始まったら簡単には止められない。ウクライナやパレスチナ自治区ガザの報道で私たちが目の当たりにした事実をさらりと、しかし深く心に刻みつけてくれる作品です。すぐに終わらないからこそ、決して始めてはいけないと誓いを新たにしました。

受賞者コメント

このたびは、このような素晴らしい賞を頂くことができ本当に嬉しいです。ありがとうございます。
この作品は、歴史の授業中に思ったことを川柳にしたものです。私たち学生が、実際に戦場に行くことはありません。そのため、戦争を他人事と捉え、無関心になってしまうことは簡単です。でも、本当にそれで良いのでしょうか。
そんな思いを込めて、この川柳を詠みました。どうか世界が平和になりますように。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔NHK福岡放送局長賞〕

特別賞〔NHK福岡放送局長賞〕

日本史でうっかりいねむり半世紀

神奈川県 神奈川県立霧が丘高等学校 3年
小林 花帆

作品評価(評:NHK福岡放送局 コンテンツセンター専任部長 一坊寺 剛)

猛暑、世界情勢、コロナ禍など・・・どの作品も“17文字”に瑞々しい感性を詰め込んでいました。
その中で「あまりにも高校生らしい日常」、なのになぜか「壮大」な世界観…そのギャップに心を掴まれた作品でした。些細な日常こそ「貴重な瞬間」だったりします。みなさんも「今」を大事に、高校生活を送ってください。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き、大変嬉しく思います。
授業の少しの時間、油断して居眠りをしたところ、日本史の授業だったために、ほんの数十分の居眠りで歴史が変わるような半世紀単位の居眠りになってしまったことへの驚きと反省を込めて川柳にしました。何気ない授業の一部を切り取り楽しい思い出に残すことができました。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔紀伊國屋書店賞〕

特別賞〔紀伊國屋書店賞〕

昼下がり君の前では本を読む

福岡県 福岡県立城南高等学校 2年
村上 大河

作品評価(評:紀伊國屋書店 取締役副社長 武藤 和男)

情景が目に浮かぶユーモラスな句。机から取り出した小説を片手に、「どうだ」とばかりに胸をそらしてページをめくりながら、チラチラと彼女を見て「早く注目してくれないかな」と気持ちは焦る。昼下がりのときだけ読書家に変身する筆者の姿が微笑ましい。どんなきっかけであれ、本を読む楽しさを知ってもらえると嬉しい。

受賞者コメント

このたびの受賞、まことに光栄に思います。
気になる子の前でだけ文学青年を装うとする、そんな姿の面白さ、健気さを想像しながら書きました。どこか気の緩んでしまいそうなこの時間、あの子に間抜けな姿を見られては困ります。「俺ってこういう一面もあるんだぜ」と内心でつぶやきながら、机から本を取り出してページをめくります。目の前の展開よりもあの子の心が気になってしまう高校生です。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔日本旅行賞〕

特別賞〔日本旅行賞〕

「あの頃は…」脅威のウイルス思い出へ

宮城県 宮城県立名取北高等学校 3年
高橋 まりん

作品評価(評:株式会社日本旅行 九州法人営業部副部長 髙橋 宏聡)

マスクを着用しての外出が当たり前だったり、さまざまな行事がすぐ中止延期になったりという息苦しい日々はようやく思い出へと変わりました。
当時は悔しい気持ちや矛盾など、さまざまな感情を乗り越え大変だったかと思います。
今を大切にさまざまな事にチャレンジし、高校生活をより充実させていかれることを祈念いたします。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き、とても嬉しく感じています。新型コロナによって当たり前の学生生活が奪われ苦しめられたけれど、その日々もいつの間にか思い出話として友達と語り合っていることに気が付きました。私はこの17文字にどんなに苦しいことがあっても思い出話となる日がいつか必ず訪れるというエールと、当たり前の生活ができている、かけがえのない今を1日1日大切に紡いでいこうという思いを込めました。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔カーボンニュートラル賞〕

特別賞〔カーボンニュートラル賞〕

公園のシーソーの下ハトも避暑

神奈川県 横浜雙葉高等学校 1年
木村 由惟

作品評価(評:カーボンニュートラル推進拠点長・永田 潔文)

ハトの体温は42℃で、本当は暑さに強いはずである。そんなハトでさえ、今年の夏は暑かった。遊ぶ子供もいない炎天下の公園で、シーソーの下の日陰で避暑をしているハトの姿が、ほほえましくもあり、滑稽にも思える句である。

受賞者コメント

このたびは、大変光栄な賞を頂きありがとうございます。今年の夏は特にその暑さが厳しく、私も、そして鳩ですらその暑さに喘ぎました。私は人間が進めてしまった地球温暖化によって私たちも鳥も苦しんでることを実感し、改めて私たち人間が地球温暖化を収めるためにはどうすればいいのか、一刻も早く考えそして実行することを今迫られているのだと、ふとした日常の中で感じました。私たちの働きによっていつの日か地球温暖化が収まることを願います。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔福大生が選ぶ賞〕

特別賞〔福大生が選ぶ賞〕

世は値上げ僕はペン持ち音を上げる

大阪府 関西大学第一高等学校 3年
安村 優陽

作品評価(評:福岡大学学友会 第68代 総務委員会委員長 横山 くるみ)

この句は現代社会の不平等を捉え、個人の行動の重要性を訴える作品になっています。
「ペンを持つ」ことは学習を通して得た知識を社会に還元し、より良い未来を築くための第一歩。多忙な高校生活の中で、社会問題に関心を持ち、自分の言葉で表現している姿は素晴らしく、きっと未来を切り開く大きな原動力になると思います。

受賞者コメント

このたびはこのような賞を頂き大変うれしく存じます。 この川柳は、昨今の深刻な値上げの風潮に準えて、勉強と向き合う大変さを表現しました。特に受験生の中には、世間の情勢を気に留める余裕がなく自分のことだけで精一杯になってしまっている方も多くいると思います。苦難の中で懸命に机に向かう、全国の高校生を称えてこの句を送ります。

入賞

賞をクリックすると、内容が表示されます

作品 氏名 高校所在地 高校名 学年
「入力中…」 その三文字に 胸躍る 生田 瑠奈 愛知県 愛知県立犬山総合高等学校 3
減っていく 子どもと所得 ああ無念 上田 康仁 兵庫県 兵庫県立夢野台高等学校 2
行事ごと 万事「最後」が 付き纏う 岡村 菜千 福岡県 福岡県立小倉商業高等学校 3
BeReal リアルは出せない 撮り直し 河﨑 大 福岡県 福岡県立小倉商業高等学校 2
知らぬ間に 老眼鏡を 買った母 川崎 悠太 福島県 福島県立福島高等学校 3
遠い地で 戦火にのまれる 小さな手 川島 里菜 栃木県 佐野日本大学高等学校 3
選手より 絶好調な 応援団 川端 歩 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 1
ちょっとだけ 髪型変える 夏祭り 楠元 優菜 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 2
AIが 教えてくれる 倫理観 小池 律騎 大阪府 関西大学第一高等学校 3
マスク臭 私の青春 この匂い 後藤 由衣 熊本県 熊本市立必由館高等学校 3
18歳 子どものままで いたいのに 貞松 幸菜 長崎県 長崎県立国見高等学校 3
祖母拍手 きっと大谷 ホームラン 佐藤 叶萌 熊本県 熊本市立必由館高等学校 3
温暖化 まさか 地球が恋してる? 佐野 心乃 神奈川県 神奈川県立霧が丘高等学校 3
妹と LINEで会話 家の中 重冨 惺南 福岡県 つくば開成福岡高等学校 2
個性だと 分類される わたしたち 髙橋 葉月 群馬県 群馬県立桐生清桜高等学校 2
新紙幣 手にし喜ぶ 価値同じ 高橋 凛名 愛媛県 愛媛県立三島高等学校 3
俺だって ゲームとサボりの 二刀流 田口 智也 茨城県 茨城県立結城第二高等学校 1
陽の下で アイスとわたし 溶けていく 立花 菜那 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 3
スマホより 大事なことが ありますよ 谷口 直哉 兵庫県 兵庫県立夢野台高等学校 2
反抗期 母の日だけは やめてみる 鶴田 樹里奈 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 2
異常気象 日本の魅力 四季消える 徳永 ゆい 埼玉県 埼玉県立大宮高等学校 1
ポストへの 五歩に日傘と 扇風機 永渕 青空 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 3
「過去最高」 年々更新 酷な夏 西村 澪 福岡県 福岡県立小倉商業高等学校 1
手を繋ぐ 伝わる熱は 心にも 野川 紗恵 愛知県 愛知県立瀬戸工科高等学校 1
墓参り 聞いてよじいちゃん 報告会 濵村 彩夏 岐阜県 岐阜県立大垣養老高等学校 2
止まらない 気温上昇と 物価高 平山 心 長崎県 長崎県立島原農業高等学校 3
何もない 平和な世界 いつくるの 福島 奏 長崎県 長崎女子高等学校 3
ドア開けて 歩いてるだけで ほぼサウナ 藤野 千夏 福岡県 福岡市立福岡西陵高等学校 3
物価高 気づけばお菓子も 高級品 山本 大樹 福岡県 福岡県立中間高等学校 2
秋刀魚焼き 夕方色の 七輪で 渡辺 獅生 福島県 福島県立福島西高等学校 2

敬称略

受賞者氏名の五十音順に掲載

学校賞〔2校〕

賞をクリックすると、内容が表示されます

関西大学第一高等学校
(大阪府)
自由ケ丘高等学校
(福岡県)

学校名の五十音順に掲載

入選作品一覧 ダウンロード

入選作品一覧(PDF/3,476KB)

第20回全国高校生川柳コンクール選考委員

福岡大学長
梅崎 流青
(全日本川柳協会 常任幹事)
坂本 信博
(西日本新聞社 編集局報道センター総合デスク)
一坊寺 剛
(NHK福岡放送局 コンテンツセンター専任部長)
武藤 和男
(紀伊國屋書店 取締役副社長)
髙橋 宏聡
(株式会社日本旅行 九州法人営業部副部長)
横山 くるみ さん
(福岡大学学友会 第68代 総務委員会委員長)
主 催
福岡大学
後 援
文化庁福岡県福岡市全日本川柳協会西日本新聞社NHK福岡放送局紀伊國屋書店株式会社日本旅行福岡県川柳協会読売新聞社朝日新聞社毎日新聞社産経新聞社KBCRKB毎日放送FBS福岡放送テレQテレビ西日本FM FUKUOKAジェイコム九州(J:COM)西日本鉄道株式会社九州旅客鉃道株式会社TOTO株式会社CROSS FM
お問い合わせ
福岡大学広報課「全国高校生川柳コンクール」係
〒814-0180 福岡市城南区七隈八丁目19番1号
TEL 092-871-6631(代)(月曜日〜金曜日の9時〜16時30分 ※大学休業日を除く
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