気象庁と内閣府を中心に、福岡大学を含めた大学や研究機関、民間企業が連携して、2022年6月から予測精度向上に向けた技術開発研究のため高密度な集中観測を実施しています。この集中観測の陸上における水蒸気観測の中心的な役割を担っているのが、これまで積乱雲の観測・予測研究を行ってきた防災科学技術研究所が中心の「線状降水帯の観測・予測システムの開発プロジェクト」です。
本プロジェクトでは、2018年度から
- 情報通信研究機構と日本アンテナによる地上デジタル放送波を用いた水蒸気量観測
- 福岡大学と気象研究所による水蒸気ライダー観測
- 防災科研によるマイクロ波放射計観測
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名古屋大学による航空機観測
の技術開発を進めてきました。こうして集めた最新の水蒸気観測データを予測に用いることで、2時間先までの線状降水帯の予測精度向上を目指した技術開発を行っています。
さらに、2022年6月から九州地方で線状降水帯の水蒸気観測を開始し、7月からはその観測体制をさらに強化して、九州の11の自治体との実証実験を通して、予測精度の検証と予測情報の利活用の検討を進めています。
本学は、理学部地球圏科学科の白石浩一助教(専門:地球物理学)と西憲敬教授(専門:地球物理学)がこのプロジェクトに携わっており、「水蒸気ライダー」を用いて観測したデータを提供することで、予測精度の向上にますます貢献していきます。
詳しくは、防災技術研究所のウェブサイトをご覧ください。