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202077
研究

「線状降水帯」を水蒸気で予測 「水蒸気ライダー」で実証実験

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2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨など、近年大雨の発生が相次ぎ、災害を引き起こしています。大雨の原因と言われている「線状降水帯」について、研究が進んでいます。

福岡大学理学部地球圏科学科の白石浩一助教(専門:地球物理学)、西憲敬教授(専門:地球物理学)は、内閣府が主導する〔戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)〕における「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」の「線状降水帯の早期発生及び発達予想情報の高度化と利活用に関する研究(研究代表機関:防災科学技術研究所、研究責任者:清水慎吾)」に研究担当者として2018年度から参加しています。

この「線状降水帯」について、「水蒸気ライダー」という装置を使って、気象庁気象研究所と共同で鹿児島県薩摩川内市の下甑島(しもこしきしま)で観測を行います。今後、3年間にわたって夏期に集中観測を行う予定です。

本集中観測を通じて、局地的な豪雨を引き起こす「線状降水帯」の発生予測の精度向上のために必要な大気下層の水蒸気の観測技術の実用化を目指します。

 

水蒸気ライダーコンテナ

コンテナ設置の様子

※2020年7月3日付朝日新聞朝刊にも掲載されました。

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  • 「線状降水帯」とは?(出典:気象庁の予報用語)
    次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。
    ※気象学的に厳密な定義は存在せず、2000年ごろに日本で作られた新しい用語。
     
  • 水蒸気ライダーとは?
    電波の代わりにレーザー光を用いたレーダー。レーザー光を上空に発射し、水蒸気分子による散乱光を観測することで、大気中の水蒸気量を知ることができる。