1945年6月の福岡大空襲では、福岡大学の前身校である九州経済専門学校も戦火に遭い、約8,000冊の本が図書館の建物もろとも焼き払われました。同校は終戦後の1946年、新たな教育制度により、4年制大学に昇格するか廃校になるかの選択を迫られます。大学昇格の条件の一つは「図書一万冊以上」でした。その時、図書館(初代)は福岡大空襲で焼失していました。
そこで生徒が立ち上がり、スタートしたのが3週間にわたる「戦災図書復旧充実運動」でした。在学生のほぼ全員にあたる約600人が、演劇・演奏会・バザーの開催、家庭教師や土木作業を行い資金集めに奔走します。卒業生からの支援もあり、当時の金額にして35万円を集めました。
その資金で図書7,500冊を購入し、焼失を免れた図書と統合校が所蔵する図書を合わせて「図書一万冊以上」の条件をクリアし、1949年、福岡商科大学として新制大学に昇格しました。
生徒たちの母校愛によって、4年制大学としての歩みをスタートさせることができました。