全国484校の15,060人から応募がありました。
厳正なる選考(選者は、氏名や学校名等を伏せ作品のみで評価)の結果、大賞〔福岡大学長賞〕、優秀賞〔2作品〕、特別賞〔全日本川柳協会賞〕、特別賞〔西日本新聞社賞〕、特別賞〔NHK福岡放送局長賞〕、特別賞〔紀伊國屋書店賞〕、特別賞〔日本旅行賞〕、特別賞〔カーボンニュートラル賞〕、特別賞〔福大生が選ぶ賞〕、入賞(30作品)、学校賞(12校)を選出しました。

受賞者氏名は敬称略

大賞 メダル

大賞〔福岡大学長賞〕

AIで考え直す人の価値

東京都 足立学園高等学校1年
大瀧 友偉

作品評価(評:福岡大学長)

我々の生活にすでに浸透しているAI(人工知能)。日常のいたるところに活用され、共存する世界はますます進んでいくだろう。写真、画像、文章、音声、ゲームなど、AI生成の分野は広がる一方だ。AIは社会を、私たちを、どのように変えるのか。いや、私たちがどう変わり変えていくのか。そこに人だからこその「価値」が光るように思う。シンギュラリティを前に考えさせられる一句だ。

受賞者コメント

このたびは大賞を頂き、大変光栄に思います。

AI技術の発展によって、誰もがAIを扱える時代になりました。近年では、創造性に欠けるとされていたAIで、絵や音楽の生成をも可能になりました。

そんな中、人間の在り方とは何か、人間らしさとは何かを考え直すきっかけになればと思い、この川柳を作りました。私はAIと人間が共存する未来がとても楽しみです。

受賞者氏名は敬称略

優秀賞 メダル

優秀賞

面接で未来の扉をノックする

福岡県 つくば開成福岡高等学校3年
相生 絢香

作品評価(評:福岡大学長)

面接の先にはどんな未来が待っているのだろう。扉の前で、期待と緊張が入り混じった面持ちの作者が目に浮かんでくる。進学であれ、就職であれ「第一志望合格」に至る道のりは決して楽ではない。夢をかなえるには、日々の地道な努力の積み重ねが必要だ。この面接で、希望溢れる進路が開けることを願う。そして、ノック後に一歩踏み出そうとする君にエールを送りたい。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思っています。

面接は大学に入るための一つの方法に過ぎないけれど、自分の未来が決まる大事な場面でもあります。そんな面接の一番始めにするノックはまさに未来へ向かうための最初の一歩と思い、その緊張感をこの句に込めました。

受賞者氏名は敬称略

優秀賞 メダル

優秀賞

セピア色祖母と私が瓜二つ

埼玉県 栄東高等学校2年
近藤 耀子

作品評価(評:福岡大学長)

「セピア色」という表現が秀逸。写真に写る若き日の祖母の姿を自分と重ねているのだろうか。あるいは半世紀ほど年が離れていてもそっくりなのだろうか。容姿だけでなく中身も似ているのではないかと想像してしまう。祖母と瓜二つで幸せと感じている作者の心情がイメージできる。祖母と作者の繋がりの深さが感じ取れ、心温まる気持ちにさせてくれる作品だ。

受賞者コメント

まさかこのような賞を頂けると思っておらず、驚きと嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

この句は、上海の祖母の家を訪ねた時、壁に貼ってあった幼い母と若き日の祖母の写真が私の顔にそっくりだと気付いた時のものです。時代、国を超えても強く受け継いだ血筋を感じた温かな気持ちを写真の淡いセピア色の柔らかさに重ねました。心和む家族の時間を多くの人に共有できたらと思います。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔全日本川柳協会賞〕

特別賞〔全日本川柳協会賞〕

君と見た下校途中のあの夕日

福岡県 福岡県立小倉商業高等学校1年
小清水 美咲

作品評価(評:全日本川柳協会 常任幹事 梅崎 流青)

今日も「おつかれさま」の言葉を残して夕日が沈む。いつも見慣れた黄昏の景だがあの日を思い出させる夕日の色だ。迷うことが青春ならば確かに青春だった。その迷いから一つの道筋を一緒に探してくれた君という存在。あの日長く伸びた影に寄りそう君の影があった青春の入り口。夕日が演出してくれた感動を17音で切り取った川柳である。

受賞者コメント

このたびは素晴らしい賞を頂き、本当に嬉しく思います。

昔、大切な人と輝く夕日を見たことがありました。それから受験生になり、帰り道に同じように輝いている夕日が目に飛び込んできました。その時大切な人と見た夕日が懐かしく思い出されました。そして受験生の私にとって、この夕日が励ましのように感じ、より思い出深いものとなりました。この時の感動や景色をいつまでも鮮明に残しておきたいと思い、川柳にしました。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔西日本新聞社賞〕

特別賞〔西日本新聞社賞〕

戸畑の地山笠かがやき夏戻る

福岡県 福岡県立小倉工業高等学校1年
片多 智也

作品評価(評:西日本新聞社 社会部次長 小野 浩志)

北九州・戸畑の夏を象徴する戸畑祇園大山笠は、たくさんの提灯を取り付け、「光のピラミッド」とも形容されます。コロナ禍で休止していましたが…。こんな回りくどい説明なしに、戸畑に暮らす人々の喜びをまっすぐ伝えています。私の、記者の初任地は戸畑でした。郷土愛を大切に育んでいる作者を、素敵に思います。

受賞者コメント

第19回全国高校生川柳コンクールに入選することができ、とても光栄に思います。

テーマが「日本を元気にするメッセージ」だったので、今年の夏四年ぶりに「戸畑祇園大山笠」の競演会が開催され、戸畑の地に四つの大山笠が戻ってきた喜びを川柳にしました。山笠が輝く夏に地元が沸いていて、本当に嬉しかったです。この受賞をきっかけに、自分の感性を磨き、表現に注意しながら、今後も創作をしていきたいと思います。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔NHK福岡放送局長賞〕

特別賞〔NHK福岡放送局長賞〕

会った時ほんとにわかる?友の顔

福岡県 福岡大学附属若葉高等学校1年
本多 優輝

作品評価(評:NHK福岡放送局 コンテンツセンター専任部長 相沢 孝義)

誰もが一日の大半マスクで顔を覆い過ごす。それが何年も続く。
そんな時が来ると誰が想像したでしょうか。やがてマスクを外す時、親友だと思っている人の素顔を見ても気づかないかも知れない。
「異常」を「日常」として受け入れ、大切な時間を過ごした若者の驚きや戸惑いが伝わり、こちらもハッとさせられました。

受賞者コメント

このたびは特別賞に選んでいただきとてもうれしく思います。
今、自分は高校一年生です。中学生の頃は、コロナの影響でずっとマスクをしていて友達や先生の顔がわかりづらい状況でした。しかし、今は規制が緩みマスクもしなくてもよくなりました。数年後、同窓会やたまたまどこかで会った時に「え!〇〇さんなの?!」となりそうだと思い、川柳にしてみました。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔紀伊國屋書店賞〕

特別賞〔紀伊國屋書店賞〕

17歳未来を翔ぶ羽今のばす

福岡県 福岡県立久留米高等学校2年
田中 陽菜

作品評価(評:紀伊國屋書店 取締役副社長 武藤 和男)

17歳のあなたは未来に向かって飛翔する羽を持っている。高校生活は楽しいばかりではなく悩み苦しむことも多いが、様々な経験が未来に活きる。
全ては高く大きく飛び立つための準備に過ぎない。何も無駄なものは無いはず。17歳という二度と戻らない時間を大切にした「今のばす」という表現が秀逸。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂きとても嬉しく思います。

この川柳は、今17歳である私や友人が部活や勉強等、何事にも精一杯で忙しい日々を思って作りました。もし皆さんが辛いことがあった時に17歳という時間で抱えた苦悩や努力は未来へ飛び立つための準備で、かけがえのないものだという風に考えてもらえたらいいなと思います。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔日本旅行賞〕

特別賞〔日本旅行賞〕

「いってきます」去年と違う夏が来た

福岡県 福岡県立中間高等学校1年
池田 実桜

作品評価(評:株式会社日本旅行 九州法人営業部副部長 髙橋 宏聡)

長かったコロナ禍もようやく終わりを告げました。息苦しさをみんなが感じていましたが、今年の夏は久しぶりにコロナ前の風景が戻ってきて、様々な行事も制限なく開催されました。今年の夏休みに感じた、溢れる思い、嬉しさが非常に良く込められています。今後、よりいっそう充実した日々になることを祈念いたします。

受賞者コメント

このたびはこのような素晴らしい賞を頂き、大変嬉しく思います。

この川柳は新型コロナウイルス感染症に関する水際対策緩和や高校入学などにより、去年より外出する機会が増えた夏休みに期待を込めて作りました。去年とは違った、部活動での貴重な経験や体験、友人達と出かけた楽しい思い出をこの川柳とともに忘れないようにしたいです。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔カーボンニュートラル賞〕

特別賞〔カーボンニュートラル賞〕

この世界温度調節下手すぎる

東京都 東京都立世田谷総合高等学校3年
早坂 仁

作品評価(評:カーボンニュートラル 推進拠点長)

この夏の猛暑を受けて、“この世界”では「地球温暖化」から「地球沸騰化」という言葉まで使われるようになった。情緒あふれる日本の四季が二季になってしまうのではという恐れすら抱いてしまう。まさに“温度調節”待ったなしで、自然環境と経済活動が“上手”に調和した持続可能な世界に向けた切実な思いを感じる。

受賞者コメント

このたびは全国高校生川柳コンクールで私の作品が入選できたこと、心より嬉しく思います。

この作品は、今年の2月頃話題になった最強寒波と、9月頃に話題になった酷暑日の極端な温度差に対して皮肉を込めて作ったものです。

受賞者氏名は敬称略

特別賞 〔福大生が選ぶ賞〕

特別賞〔福大生が選ぶ賞〕

無駄話思い出残り無駄じゃない

第一学院高等学校(高萩校)1年
千尋 斗輝亜

作品評価(評:福岡大学学友会 第66代 総務委員会委員長 岩淵 駿)

この句を読み、過去の些細な会話がふと頭に浮かび、「こんな話をしたな」「今、相手は元気かなぁ」といった思いにふけました。また、コミュニケーションの重要性やコロナ禍でも感じられた「人」との繋がりの大切さを再認識し、「人生に無駄な瞬間はなく、全て何かにつながっている」という作者のメッセージが伝わってきました。

受賞者コメント

このたびはこのような賞を頂き光栄です。

この川柳は、授業中や帰り道など、人それぞれ様々なシーンを思い浮かべられるような作品にしました。 この川柳を読んだ人が思い浮かべたのがどのシーンであっても、きっと周りに友達がいたと思います。
思い出は心にずっと残り続けるので、思い浮かんだ友達と一緒に大事にしてほしいと思います。

入賞

賞をクリックすると、内容が表示されます

作品 氏名 高校所在地 高校名 学年
ノーマスク 笑顔の感染 拡大中 青木 礼恩 神奈川県 神奈川県立霧が丘高等学校 3
青春の 降車ボタンは まだ押せない 池宮 花一音 沖縄県 沖縄県立普天間高等学校 3
バレンタイン 浮かれる父に 罪悪感 伊藤 優里 神奈川県 青山学院横浜英和高等学校 1
グラウンド 戻る活気に 土が舞う 小島 健剛 埼玉県 埼玉県立大宮高等学校 1
1人じゃない 三年ぶりの お昼ごはん 小峯 加歩 福島県 福島県立福島商業高等学校 1
模試帰り 疲労とパピコ はんぶんこ 佐藤 幸実 秋田県 秋田県立秋田北高等学校 2
何気なく 書き込む言葉 凶器かも 佐藤 環 埼玉県 埼玉県立大宮高等学校 1
SNS 大事な時間 奪っていく 佐藤 颯 福岡県 福岡市立福岡西陵高等学校 1
通話中 なによりうるさい 胸の音 佐野 夏陽花 福島県 福島県立福島商業高等学校 1
僕がなる 心の傷の 絆創膏 新宅 咲月   第一学院高等学校(養父校) 3
悔いは無い なのに涙が 止まらない 末永 凜太朗 福島県 福島県立福島商業高等学校 3
今学べ 悲惨な「歴史」に なる前に 高橋 冴弥 徳島県 徳島県立城ノ内中等教育学校 6
気づいたら ずっとスマホと 見つめあい 谷 柚茶 大阪府 大阪府立東住吉総合高等学校 3
世の中の 情報洪水 泥混じり 豊坂 拓也 大阪府 大阪府立いちりつ高等学校 2
就活の 疲れを癒やす 推し活で 永井 愛莉 山形県 山形県立小国高等学校 3
性別は まるでパレット 無限大 中村 陸音 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 1
ミシュランを 軽々超える 母の味 沼口 日菜 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 3
初めての 浴衣を買った コロナ明け 畠中 結衣 福岡県 福岡県立小倉商業高等学校 1
平和だな 家族みんなで 朝ごはん 濱田 航大 福岡県 福岡市立福岡西陵高等学校 3
誕生日 少し胸張る 18歳 古野 さくら 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 3
電気代 気温と共に 高騰中 堀井 彩叶 東京都 東京都立日本橋高等学校 1
友「達」と 言えど隣は 君一人 見立屋 はつみ 北海道 北海道岩見沢東高等学校 2
スクロール 友との思い出 懐かしい 村中 菜都未 福岡県 福岡県立中間高等学校 1
宿題の 「提出」ボタン 押し忘れ 室井 かなえ 大阪府 大阪府立水都国際高等学校 2
例年と 言える時代は もう終わり 望月 元舜 東京都 足立学園高等学校 1
悩む時 あっという間に 夜が過ぐ 森 結太 福岡県 福岡市立福岡西陵高等学校 1
プロ野球 チャンネル変えると 起きる父 安木 孝太郎 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 1
こっち見て スマホじゃなくて 私の目 山下 優奈 福岡県 福岡県立小倉商業高等学校 3
片思い 雷怖いと メールする 山田 美羽 福岡県 福岡大学附属若葉高等学校 2
せっかくの 長期休みが 寝て終わる 山元 愛麗 福岡県 福岡県立宇美商業高等学校 2

敬称略

受賞者氏名の五十音順に掲載

学校賞〔12校〕

賞をクリックすると、内容が表示されます

秋田県立秋田北高等学校
(秋田県)
足立学園高等学校
(東京都)
大阪府立水都国際高等学校
(大阪府)
埼玉県立大宮高等学校
(埼玉県)
第一学院高等学校
長崎女子高等学校
(長崎県)
兵庫県立視覚特別支援学校
(兵庫県)
福岡市立福岡西陵高等学校
(福岡県)
福岡県立宇美商業高等学校
(福岡県)
福岡県立小倉商業高等学校
(福岡県)
福岡県立武蔵台高等学校
(福岡県)
福島県立福島商業高等学校
(福島県)

学校名の五十音順に掲載

入選作品一覧 ダウンロード

入選作品一覧(PDF/4,227KB)

第19回全国高校生川柳コンクール選考委員

福岡大学長
高橋 昌彦 教授
(人文学部日本語日本文学科)
梅崎 流青
(全日本川柳協会 常任幹事)
小野 浩志
(西日本新聞社 社会部次長)
相沢 孝義
(NHK福岡放送局 コンテンツセンター専任部長)
武藤 和男
(紀伊國屋書店 取締役副社長)
髙橋 宏聡
(株式会社日本旅行 九州法人営業部副部長)
岩淵 駿 さん
(福岡大学学友会 第66代 総務委員会委員長)

学生広報サポーター

足立 ほの花 さん
(商学部経営学科 1年次生)
池上 咲妃  さん
(理学部物理科学科 4年次生)
大釜 凜   さん
(人文学部ドイツ語学科 4年次生)
岡本 瑛乃  さん
(商学部第二部商学科 3年次生)
小林 未玖  さん
(商学部第二部商学科 3年次生)
髙野 一輝  さん
(人文学部文化学科 4年次生)
中里 和奏  さん
(法学部法律学科 4年次生)
福尾 哉人  さん
(商学部商学科 1年次生)
村上 祐季  さん
(商学部第二部商学科 3年次生)
主 催
福岡大学
後 援
文化庁福岡県福岡市全日本川柳協会西日本新聞社NHK福岡放送局紀伊國屋書店株式会社日本旅行福岡県川柳協会読売新聞社朝日新聞社毎日新聞社産経新聞社九州朝日放送RKB毎日放送FBS福岡放送テレQテレビ西日本FM FUKUOKAジェイコム九州(J:COM)西日本鉄道株式会社九州旅客鉃道株式会社
お問い合わせ
福岡大学広報課「全国高校生川柳コンクール」係
〒814-0180 福岡市城南区七隈八丁目19番1号
TEL 092-871-6631(代)(月曜日〜金曜日の9時〜16時30分)
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