2020年10月に行われたプロ野球ドラフト会議で、福岡大学準硬式野球部の大曲錬投手が埼玉西武ライオンズから5位指名、大濠高校硬式野球部の山下舜平大(しゅんぺいた)投手がオリックス・バファローズから1位指名を受けました。
フクダイズムでは、二人によるスペシャル対談を実施。西区にある福岡大学野球場で、プロ野球界に羽ばたく2投手にお話を伺いました。
最終回となる今回は、これまで支えてくれた方への感謝や後輩たちへのメッセージをいただきました。
恵まれた環境と支えてくれた方々への感謝
―プロに入ると体づくりの面で今まで以上に食事に気を付けないといけなくなりますが、これまでの食事管理はいかがでしたか。
大学の近くで一人暮らしをしているので、食事は自炊をしたり、外食をしたりですね。1度の食事でたくさんの量を食べられないタイプなので、何回かに分けて食べ、体重を増やそうとしてきました。でも、こうやって目の前で山下君を見ると、自分は細いな、と感じますね(笑)。どちらかというと肉よりも野菜が好きなので、これからは意識して肉もいっぱい食べるように頑張ります。
自分は自宅住まいなので、親まかせです。ご飯は1日に7合を5回位に分けて食べています。
ええっ!7合?
自分で体を大きくしようと思って食べていました。ちゃんと身になっていると感じます。
―これからの体づくりはどうしていこうと思っていますか。
全身が細いので、ウエイトトレーニングを中心にやっていこうと思います。体を大きくしてもキレがなくなると意味がないので、そういったところもバランスを考えながら大きくしたいですね。
高校時代は下半身を中心に鍛えてきましたが、プロに入ったら上半身もしっかり鍛えたいです。オリックスの先輩方がされてきたことを、最初は真似することから始めていこうと思います。体は大きいですが、瞬間的に力を出し切ることができていないので、瞬発系のメニューをしっかりやっていきたいです。
―福岡大学野球場と大濠高校野球場は西区にすぐ隣り合わせであるのですが、この野球環境についてどう感じていましたか。
人工芝を経験できますし、本当にきれいな球場でとても充実した環境だと思います。高校時代は引き詰まった感じがあったのですが、準硬式野球部では野球の楽しさを改めて実感することができました。
大濠の野球場も高校生には十分過ぎるくらいの環境だと思います。練習時間はそんなに長くはないですが、その中で投手は自主性が重視されていて、監督・コーチから「ああやれ、こうやれ」という型にはまった厳しい指示はありません。自分で勉強して、工夫して、メニューを組んでという自主的な練習をしていました。それが自分に合っていたのかなと思います。
―(硬式の)野球部で練習をしていても、他の投手が投げる球は気になりますか。
はい、気になります。野球部の投手は、身体が自分よりも強いですし、スピードは150キロに届かなくてもコントロールがいい投手が多い印象です。
―では、最後にこれまで支えていただいた方々や、それぞれの在学生にメッセージをお願いします。
ドラフトまでたくさんの人に応援していただき、支えていただいて感謝の気持ちしかありません。やはり謙虚な気持ちが大事だと思います。学生の皆さんには、そういう気持ちをもって課外活動だけでなく勉学にも励んでほしいと思います。自分たちは、コロナの影響で全国大会が開催されませんでした。準硬式野球部の後輩たちには、自分たちが叶えられなかった日本一という目標に向かって頑張ってほしいです。
親や先生方には言葉に表せないほど感謝していますし、これからもたくさんお世話になると思うので、改めて「よろしくお願いします」と言いたいです。どの指導者の方も「感謝の気持ちを持って野球をしなさい」と言われますが、正直、自分の中で感謝の気持ちは当然あるものの、それほど強いものはありませんでした。でも、今年は甲子園大会がなくなり、当たり前のようにやってきた練習ができない状態を経験して、野球ができる時間を大切にすること、そして、野球を含めいろいろなことに対して実際にやれることのありがたさを改めて感じることができました。後輩たちにはその気持ちを常に持っていてほしいです。
―長い時間ありがとうございました。二人がプロのマウンドで投げ合う日を楽しみにしています。