福岡大学病院では、新型コロナウイルス感染症等に罹患した重篤な呼吸不全の患者さんに膜型人工肺(ECMO)を使った治療を施し、十分な治療実績を収めています。昨年7月にはECMOセンターを設置し、重症患者さんをさらに積極的に受け入れるとともに、ECMO治療に必要な技術の向上および人材育成にも寄与しています。
10月1日(金)、福岡大学病院では、ECMOの装着を必要とする重症患者の搬送を可能にする「ECMOカー」を九州で初めて導入し、運行を開始しました。
ECMOは、血液を対外に出して酸素を加え再び体内に戻す装置で、コロナ患者を救う「最後の砦」と言われています。今回導入した「ECMOカー」は、ECMO治療が可能なストレッチャーを搭載し、ストレッチャーの両側での作業が可能となるスペースも確保されています。また、治療をしやすくするために天井も高く設計され、「動く集中治療室」として期待されます。車内には通常の救急車の約10倍の高容量バッテリーや同約2倍の酸素ボンベを搭載しており、福岡県内外の広域搬送が可能となります。
10月6日(水)には、報道各社に公開し、岩﨑昭憲福岡大学病院長やECMOセンターの石倉宏恭センター長、星野耕大副センター長が詳細な説明を行いました。石倉センター長は、「ECMOカーの導入で、患者さんにより早期にECMOを装着し、適切な施設に搬送することができるようになります。患者さんを待つのではなく、こちらから出向いてでも早く救命処置を行う“攻めの救急”をさらに進めていきたい」と話しました。
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関連リンク
朝日新聞デジタル:「走る集中治療室」 ECMOカー、九州で初めて福岡大病院に(10/6)
読売新聞:福岡大病院がエクモカーを九州初の導入、災害時活用も
西日本新聞:「動く集中治療室」エクモカー、福大病院導入 重症者の広域搬送期待

エクモカー(外観)

エクモカー内部

岩﨑福岡大学病院長

説明を行う石倉センター長(左)と星野副センター長

テープカットの様子

記者発表には11社から報道陣が集まった