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202396
教育
卒業生

第2回「FuC(福岡大学商学部)教職ネット」を開催しました

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8月27日(日)、第2回「FuC(福岡大学商学部)教職ネット」*を開催しました。

「FuC(福岡大学商学部)教職ネット」*…先般、教育現場で活躍される先生方(本学部卒業生)と教員を目指す現役学生、本学教員との交流・連携の場を設け、教育界へ貢献や本学部と高校との高大連携などの糸口にすることなどを目的とした「教職ネットワーク」のこと。

前半は講義、後半は講義の内容を踏まえたグループワークが行われました。

今回は、「次代の生徒指導を求めて」というテーマのもと、日本大学文理学部教授・同学教職センター長である藤平敦教授、中村学園大学短期大学部キャリア開発学科の石橋慶一教授にご講話いただきました。

藤平教授の講義の様子

石橋教授の講義の様子

  • 藤平教授「次代の教師に求められる生徒指導力~改訂『生徒指導提要』が目指すもの~」

生徒指導提要が改訂され、新たな生徒指導の構造として『2軸3類4層』*という言葉があります。
これまで、生徒指導は未然防止、初期対応、事後対応の3層で構造されてきましたが、今回の改訂で未然防止をさらに細分化し、治療的予防と教育的予防に分けられました。治療的予防とは、道徳の時間でいじめに関する教材を扱ったり、弁護士の方にいじめの法的な取り扱いを学んだりすること。一方で、教育的予防とは、より教育を充実させることです。今回の改訂は、初期対応と未然防止の定義を混同させないようにという注意喚起の示唆であるとも捉えられます。つまり、生徒指導を行う際は、対象者を明確にして意図的に働きかけることが必要だということです。そのためには教師が、常に生徒を主語にした働きかけを考える必要があります。

『2軸3類4層』*とは
・2軸…継続的・即応的(兆候が見られる児童生徒が対象)か先行的・常態的(全児童生徒が対象)か、という時間軸のこと
・3類…発達支持的生徒指導(児童生徒が自ら発達するのを、教師や大人が支えること)、課題予防的生徒指導、困難課題対応的生徒指導のこと
・4層…1層:発達支持的生徒指導、2層:課題未然防止教育、3層:課題早期発見対応、4層:困難課題対応的生徒指導のこと

  • 石橋教授「商業科教員としての歩み」

私は以前、10年間商業科教員として勤めていました。大学の時に、友人から「教員免許を一緒に取らないか」と誘われたことをきっかけに教職の道に興味を持ち、大学院へ進学しました。進学後、モチベーションについて研究をし、修了後は専修免許状を取得しました。その後、3度目の採用試験で合格。10年間で福岡県内の3校の学校に赴任しました。その間、働きながらモチベーションの研究をし、9年間かけて九州工業大学大学院を修了。それから大学教員として勤め、現在に至ります。
私の専門とする経営心理学から皆さんにお伝えしたいことは、あらゆる選択をするためには自分自身をよく知ることが大切だということです。これから教員を目指す皆さん、「教職とは何か」「教育とは何か」について、今一度考えてみてください。では、大学生活を楽しんでください。

講義内でのグループワーク

受講の様子

講義後のグループワークでは、「教育現場における生徒指導の在り方」というテーマのもと、「チーム力を生かした生徒指導」「不登校問題を考える」「いじめ問題を考える」「体罰によらない生徒指導とは」「校則の見直しと学校文化を考える」の5つのジャンルに分かれ、議論を交わしました。生徒と信頼関係を築く方法や職員同士の情報共有やコミュニケーションの必要性、生徒理解について活発な意見交換が行われた後、全体で報告会を実施しました。

グループワークの様子

全体報告会での発表

最後に、藤平先生から講評を頂きました。それぞれのグループワークを振り返りながら、「生徒指導のゴールは、児童生徒が社会的自立をすること。つまり、生徒指導とは『マイナスをゼロに、ゼロからプラスにする』ことです。子どもたちのできていない所を直すことばかりにフォーカスせず、きちんと良いところを伸ばすことも忘れないでください」と参加者全員に向けて、生徒指導の核となる言葉が贈られました。

「FuC教職ネット」は、年に2回(毎年夏頃と冬頃)開催予定です。


 

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